住宅購入の費用・税金/住宅ローンのしくみと選び方

夫婦2人で住宅ローンを借りる場合の注意点は?(2ページ目)

夫婦共働き世帯が増えているため、夫婦で住宅ローンを借りる時の注意点に関する相談がよくあります。気に入った物件が見つかると、夫婦2人で住宅ローンを借りれば手が届く!というケースもよくあります。そこで、今回は夫婦で住宅ローンを借りる時の注意点について解説します。

村元 正明

執筆者:村元 正明

住宅にまつわるお金ガイド


妻の住宅ローン減税の確認

理由2については、現在の住宅ローン減税をみると、長期優良住宅など以外の一般住宅の場合は最大減税額が毎年40万円(減税期間10年間で最大400万円減税)という金額に目が行きがちです。パッとみた感じでは、夫婦二人で住宅ローンを2人で借りれば、400万円×2人=800万円得をするという印象を持つかもしれません。しかし、実際は新居に入居した年から10年間、12月末の住宅ローンの残高の1%分を所得税+住民税(最大13.65万円)から減税する制度です。

ちなみに概算で計算すると年収が700万円以上(扶養控除なし)、住宅ローンの借入が5150万円(35年返済、借入金利2%)以上の人は毎年40万円の減税を受けられることになります(夫婦2人で1億円以上の借入をする人はほとんどいらっしゃらないでしょう)。

現実的な注意点としては、育児休暇などにより所得税が発生しない年は、住宅ローンの残高があったとしても、実際の減税額はゼロということを認識しておくことが重要になります。

マイホーム購入後、妻の退職の可能性が低い場合や出産の可能性が低い場合は、新居に入居した年から10年間は妻の収入があるので、妻も住宅ローンを借りれば住宅ローン減税をフルに受けられることになります。

しかし、特に第1子目の出産前にマイホームを購入する家庭の場合、第1子の育児休暇また第2子の出産と育児休暇があると、3~4年ほど、収入がない年が出てくる可能性があります。このような可能性がある夫婦の場合、妻の収入がない年があることも考慮して、夫婦の現在の年収(今後の年収予想も含む)、住宅ローンの返済額などをもとに、住宅ローン減税の具体的な金額を確認しておく必要があります。

夫婦2人で住宅ローンを借りる場合の対処方法

これまで説明した点について具体的に検討したうえで特に問題がなければ、夫婦で住宅ローンを借りても問題が起こる可能性は低いと思います。しかし、今後の家計負担増(教育資金、消費税や社会保険料の負担増など)も考慮して、夫婦で住宅ローンを借りることに不安がある場合、まずは夫の収入だけでマイホーム購入ができないか資金計画を再度検討してみましょう。もし、夫の収入だけでマイホームが購入できれば、妻の収入は教育資金や老後資金、または住宅ローンの繰り上げ返済に充当することが可能です。

どうしても、妻が住宅ローンを借りる必要がある場合は、”物件価格ありき”ではなく、無理なく返済できる毎月の住宅ローン返済額を決めたうえで、また妻の住宅ローンの借入金を決めたうえで、物件を検討することが重要です。そうすれば、マイホーム購入後、住宅ローンの返済が家計を圧迫する可能性が低くなり、安心安全な資金計画でマイホームを購入することが可能となります。

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