投資信託/要注意!投資信託のリスクと落とし穴

ご存知ですか?ブル・ベアファンドの注意点

少ない手元資金でマーケットの何倍ものリターンを追求できるブル・ベアファンドが人気です。しかし、このタイプは基準価額の値動きが荒く、極めてリスクが高いのが特徴です。今回は、ブル・ベア型を保有するにあたっての注意点について見ていきます。

篠田 尚子

執筆者:篠田 尚子

投資信託ガイド

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値動きは常に2、3倍とは限らない

ブル・ベア型では常に日経平均株価など、マーケットの2倍、3倍の運用成果を期待できると誤解されることが多くあります。しかし、実際の日経平均株価の値動きと基準価額の値動きは常に同程度の倍率になるわけではありません。レバレッジの倍率と基準価額の値動きが同程度になるのは、あくまで「前日」と比較した場合であり、日経平均株価の推移の仕方によってはむしろシンプルなインデックス型の方が好成績を収める可能性もあります。

【ケース1】2日以上離れた2時点の騰落率比較

レバレッジ2倍のブル型を想定し、2日以上離れた2時点間の株価指数とファンドの基準価額の推移を見てみます。図表の「3日後」にある通り、前日との騰落率比較では2倍となっていますが、基準日との騰落率比較では「2日後」で2.05倍、「3日後」で1.81倍と、2倍の投資成果にはなっていません。株式市場が上昇・下落をした場合、一方的に上昇した場合よりも投資成果は低くなります。

2日以上離れた2時点の騰落率比較

2日以上離れた2時点の騰落率比較


2日以上離れた2時点の騰落率比較

2日以上離れた2時点の騰落率比較



【ケース2】株価が上昇と下落を繰り返した場合

対象となる指数が上昇と下落を繰り返し続けると、レバレッジを効かせたブル・ベア型の投資戦略はむしろ裏目に出ます。例えば、対象となる株価指数が20日間に渡って同じ比率で上昇と下落を繰り返したと仮定します。株価指数は最終的に2.5%の下落幅に留まっていますが、レバレッジ2倍と3倍のブル型はいずれも約10%と20%の下落に見舞われています。このケースでは、株価指数に連動するシンプルなインデックス型を保有していた方が結果的に良かったということになります。尚、レバレッジの倍率が大きければ大きいほど、中長期的に基準価額の下落幅は大きくなるので注意が必要です。

株価が連日5%で上下を繰り返した場合

株価が連日5%で上下を繰り返した場合



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