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美女ピアニスト アリス=紗良・オットのスキャンダル!(4ページ目)

アリス=紗良・オットと言えば、世界のトップで活躍する才色兼備の若手ピアニスト。新作『スキャンダル』はなんと、イケメン・ピアニスト、フランチェスコ・トリスターノとのデュオ! もしかしてこれって…ということでインタビューしてきました!

大塚 晋

執筆者:大塚 晋

クラシック音楽ガイド

アリスの使命、そして、同じくピアニストの妹について

アリス

デュオ公演前の6月上旬にはソロ・リサイタルの全国公演も予定

大:ピアノ・デュオ自体、今まであまりやっていないですか?

ASO:妹とバルトークの『2台のピアノと打楽器のためのソナタ』をやったことがありますけれど、あまりないですね。

大:妹のモナ=飛鳥・オットさんもプロ・ピアニストですが、その演奏は家でではなく、プロのコンサートとしてですか?

ASO:はい、家ではやっていなくて、コンサートで何回か一緒に弾いたんです。でも、2人ともデュオをやるのは避けているんですよ。やってしまうと、どうしてもお客さんや主催者の方からそれをお願いされてしまう気がして。やっぱりデュオよりソロの方がプロフェッショナルにできますから。うん、ちょっと、まだというか、将来どうなるか分からないですけれど、今のところは避けているんです。

大:仲が悪いから、というわけではないんですね(笑)。

ASO:全然! 全然! 私にとって、妹が一番近い存在ですよ。毎日電話で話していますよ。決して仲は悪くないですよ(笑)。

大:これまた失礼しました(笑)。姉妹が仲良いのは良いですね~。そういえば、アリスさんがピアノを始めたのは4歳からでしたっけ?

ASO:はい、始めたのは4歳なんですけれど、初めてコンサートに連れていってもらったのが3歳の時で、その時にピアニストになりたいと思ったんです。

大:それはピアニストであったお母さまのコンサートですか?

ASO:いや、両親の友人のピアニストのコンサートです。きっと、単にその日にベビーシッターを見つけることができなくて私を連れていったんだと思うんですけれどね(笑)。ただ、それがきっかけでピアニストになりたいと思ったので分からないものです。

大:家でお母さまはピアノを弾かれていたんですよね?

ASO:はい、家にピアノがあったので、母が弾いたり、音楽家の友達を呼んで演奏したりしていました。

大:子どもの頃からそういう環境にいられるのは幸せですね~。アリスさんは、イエロー・ラウンジ(クラブでクラシックの演奏を行うプロジェクト)に参加したり、クラシックの外に向かう感じがあり、今回のプロジェクトもそういう感じが少しありますが。

ASO:そうですね、フランチェスコの聴衆というのはとても幅広く、クラシックだけでなくてテクノの世界のお客さんもいる。今回のアルバムはコアなクラシックの曲があるから、この機会に幅広い方々に興味をもって聴いてもらえるととても嬉しいですね。ですが、私は最終的にクロスオーヴァーはやらなくて、コアなクラシックの音楽家です。音楽自体を変えないで、クラシック音楽の良さを若い人たちに伝えるというのが自分の使命だと思っています。

大:あぁ、共感します。

ASO:ですから、イエロー・ラウンジだけでなく、ラプソディー・イン・スクールというドイツで行われているプロジェクトに参加し、学校に行って子どもたちの前で弾いたり音楽家や曲の背景を説明したりもしています。そうした、コンサートホールのイメージから離れた活動は積極的にしています。

クラシックのコンサートってチケットが高いですし、ルールがありすぎて「堅い」イメージがあるから、みんな行く勇気を持てないんですよ。だからそういう若い人たちに「クラシック音楽っていうのはポップスやロックと全然違わないんだよ」というのを、分かってもらいたいです。

ポップスやロックが好きな人は、その歌詞であったり、アーティストのライフスタイルであったり、どこかに共通点を感じていると思うんですよ。ですが、クラシックの作曲家の人生を調べると、今のロックスターよりある意味ずっとダラしない、より激しい人生を送っているんですよ。でも、みんな、そうしたことは知らないから、そういったエピソードを話したり、曲の背景を話すと、音楽を聴く姿勢が変わっていくんですよね。そういう体験を何度もしているから、これからもいろいろな道を探して、コアなクラシック音楽をより多くの人に知って好きになってもらいたいです。

大:ほんと同感です。アリスさんは、逆に普段はクラシックだけでなく、ロックなども聴いているんですって?

ASO:はい、聴きます。日常生活の中でピアノを聴きたくないんですよ。ピアノを聴くとどうしてもそっちに気が行ってしまって、他のものに集中できなくなってしまうので。例えば友達の家にディナーに招待されても、BGMとしてピアノが流れているとどうしても耳がそっちに行ってしまい、ご飯が楽しめない。なので、オフの時はクラシックだったらシューベルトの歌曲とか、室内楽が好きだから弦楽四重奏曲とかを聴いています。ロックだとピンク・フロイド、トム・ウェイツ、レナード・コーエン、レッド・ツェッペリンとかですね。

大:またそのセレクトが渋いですね(笑)。

ASO:そうですね(笑)、今のポップスって、全部がというわけではないですが、メロディーやハーモニーより、ビートやリズムの方が重視されていますよね。メロディーが欠けている感じがあって、まだそうではなかった70年代や80年代の音楽が好きですね。

大:例えばピンク・フロイドだったらどういう曲やアルバムが好きなんですか?

ASO:エコーズ、ザ・ウォール、パルスとかですね。日本のアーティストで好きなのはサザンオールスターズかな。

大:またそれは違う種類の音楽ですが(笑)、世界感がはっきりしたものがお好きなんですね。これからもアリスさんの世界観の音楽を楽しみにしています!

***

ということで、好奇心があって、とてもはっきり意思を持って、未来を見るアリスさんなのでした。

そんな彼女の魅力が詰まった『スキャンダル』のCDリリースとコンサート、ぜひお聴き逃しなく!

※その他のアリス=紗良・オットさんのアルバムはこちら

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