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美女ピアニスト アリス=紗良・オットのスキャンダル!(3ページ目)

アリス=紗良・オットと言えば、世界のトップで活躍する才色兼備の若手ピアニスト。新作『スキャンダル』はなんと、イケメン・ピアニスト、フランチェスコ・トリスターノとのデュオ! もしかしてこれって…ということでインタビューしてきました!

大塚 晋

執筆者:大塚 晋

クラシック音楽ガイド

“スキャンダル”の真相と、“バレエ・リュス”というテーマに込めた思い

アリス=紗良・オット

裸足で演奏することで知られるアリスさんはインタビューも裸足。好きなんだそうです(笑)

大:今回のアルバムのテーマは「バレエ・リュス(1909年からパリを中心に革新的なバレエを興行したバレエ団)」と聞きましたが、どうしてですか?

ASO:オール・デュオのCDを作ろうという話になった時に、2人とも真っ先にストラヴィンスキーの『春の祭典』(※)をやりたいって言ったんですよ(笑)。しかも面白いことに、彼は第2ピアノ(下の音域)をやりたいと言ったんです。私は上の第1ピアノをやりたかったので、最初からすんなりと決まりました。
(※『春の祭典』は、不協和音と変拍子に満ちて衝撃を与えた20世紀を代表するオーケストラ曲として著名ですが、作曲者自身による連弾版が存在。今回の録音はその連弾版)

それで『春の祭典』は決まったけれど、その周りに何の曲を足したらいいか、という話になりました。『春の祭典』はバレエ・リュスの代表曲なわけですよ。私はバレエ・リュスの興行主であるセルゲイ・ディアギレフに昔からとても興味を持っていました。彼は20年間、当時を代表するアーティストを集めて、彼らに自由なスペースを与えた人なんですね。ビジネスとして成功しようがしまいが関係なく、本当に各々がアイデアを活かせる場を与えた。それってアーティストにとっての夢じゃないですか。それを20年間も実現させたことに興味を持っていて。

なので『春の祭典』をやるなら、テーマは“バレエ・リュス”にしようと。ストラヴィンスキーも、今回『ラ・ヴァルス』を録音したラヴェルも共にピアノ曲に名曲のある作曲家なので、ちょうどいいきっかけだなと思い、決めました。
(※『ラ・ヴァルス』もオーケストラ曲として著名ですが、今回の録音は作曲者自身による2台ピアノ版)

大:なるほど、ハルサイ(春の祭典)が今回の原点なんですね。で『スキャンダル』というアルバムタイトルは……?

ASO:「あなたたち2人の関係のことか?」とか聞かれるんですけれど、そうではないですからね(笑)。

『春の祭典』も『ラ・ヴァルス』も、初演時に“スキャンダル”となったんですよ。ディアギレフは、スキャンダルを望んでいたんです。当時のブルジョワ的な人たちにショックを与えたかったんですね。『春の祭典』が初演された時、ディアギレフはスキャンダルになることを分かっていたんですよ。ですけれど、振り付けをした看板ダンサーだったニジンスキーはそうは思っていなくて、スキャンダルとなったことにとてもショックを受けてしまったみたいなんですけれど(笑)。

ラヴェルの『ラ・ヴァルス』は当初バレエ・リュスのために書かれた音楽なんですけれど、最終的にディアギレフが却下したんですよ。傑作と認めつつも「これはバレエ音楽ではなく、バレエ音楽のポートレイトだ」と言って。それで、他のバレエ団によって初演されたのですが、やはりスキャンダルになりました。これらの曲は、当時は受け入れられませんでしたが、スキャンダラスだったからこそ、今とても有名な曲になっているんですよね。

タイトルはいろいろと悩んだのですが、レコーディングしている最中にこの“スキャンダル”という言葉が浮かんできたんです。なので、本当に私たちとは全然関係なく、音楽そのものを表したタイトルなんですけれど、すごい誤解を(笑)。

大:タイトル自体がまた新たなスキャンダルを(笑)。

ASO:笑。それと、ディアギレフは明確なヴィジョンを持っていて、当時作曲された曲しか使わなかったんですね。だからディアギレフのオマージュのようなプロジェクトをする際には現代の音楽を入れるべきだと思うんです。入れないと意味がない。だからフランチェスコに新しい曲を1つ書いてもらい、演奏することにしたんです。

大:あ、彼が「やりたい」と言ったのではなく、アリスさんの意見なんですね。

ASO:ええ。現代作品は必要、それならばフランチェスコに書いてもらうのが一番良い、と思って。彼もOKしてくれたので実現しました。

大:『A SOFT SHELL GROOVE』という曲ですが、これ、お二人のイニシャルが含まれていますよね。

ASO:え! 気付きました!? びっくり!

大:あ、アルバムのリリースに書いてありましたよ(笑)。

ASO:え、書いてあったんですか!?(笑) まぁ、そのとおりなんですけれど、それはフランチェスコが付けたタイトルです。私は意味を深く理解できていないですが『ア・ソフト・シェル・グルーヴ』、うん、まぁ、ソフトでありグルーヴィーな感じの曲ですね。

大:カニのソフト・シェル・クラブに何かスキャンダラスなエピソードがあるとかではないのですか?

ASO:ではないですね(笑)。クラブじゃなくてグルーヴです(笑)。

大:失礼しました(笑)。このデュオで2014年6月に日本で公演をするわけですが、韓国とかへも行くんですよね?

ASO:そうです。CDもアジアでまずリリースされ(※日本は5月21日)、6月に日本で6公演くらい演奏して、それからソウル、オーストラリアに行くんです。9月からはヨーロッパ公演なので、CDのインターナショナルリリースは9月です。

大:長いプロジェクトなんですね。あと、そうそう、今回のプロジェクトってそもそも連弾ですか? それともピアノ2台?

ASO:ピアノ2台です。今回のピアノ版の『春の祭典』も本当は1台のピアノの連弾用に書かれていますが、やっぱり連弾では無理ですね。本当に何年も何年も一緒にやってきたラベック姉妹(※著名な姉妹のピアノ・デュオ)とかでしたら大丈夫なのかもと思いますけれど。

大:連弾だとやりづらいですか?

ASO:えぇ、弾きづらいですね。お互い慣れていないと難しいと思いますね。
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