頭金が少ない場合の現実的な対処方法
頭金が少ない人、購入時の諸費用と頭金を合計した自己資金が少ない人がまず考える必要があるのは、家計支出の管理を行い貯蓄する習慣を身につけてこなかったことに気づくことです。共働きの家族世帯の場合、夫の手取り年収が400万円、妻の手取り年収が300万円あったとします。理想でいえば、妻の産休などで妻の収入がストップすることを想定して、本来であれば手取り年収だけで家計の支出を賄い、妻の手取り収入は全額貯蓄するというような家計支出の管理ができていれば、結婚から3年くらい経過すれば、少なくても900万円、独身時代の夫と妻の貯蓄も含めれば1000万円以上の貯蓄は十分可能です。
しかし、実際には買い物、旅行、レジャー、趣味などで、貯蓄ができていない人が多いのが実態です。相談者のうち5組に1~2組の人は夫婦で1000万円以上の貯蓄があり、物件価格の2~3割以上を自己資金(頭金+購入時の諸費用)で準備できてかつ預金が残るケースがありますが、相談者のうち5組に3~4組の人は自己資金(頭金+購入時の諸費用)が500万円以下というケースが多く、自己資金が足りなかったり、自己資金は出せても貯金が残らないというケースが数多く見受けられます。
そこで、まずは家計支出の見直しを行い、貯蓄癖を身につけることが先決です。
家計支出の見直しは次のように行います。
- 家計支出を把握する(見える化する)
- 把握できていない家計支出がないか確認する(手取り収入の5~10%の可能性あり)
- 家計支出の優先順位付けをして、購入後の住居費(住宅ローンの返済と住宅維持費)に回せる支出がないか確認する
- マイホーム購入を全体とした場合の生命保険の見直しを検討する
- 共働きの家族世帯の場合、夫だけの収入で生活して、妻の収入は貯蓄する生活にトライする
以上の家計支出の見直しを行うことで、最低でも毎月2~3万円(年間で24~36万円)、最高であれば妻の収入の全額を購入後の住居費や貯蓄に回すことが可能となります。そうすれば、頭金が少ない状況ですぐにマイホームを購入したとしても、無理なく住宅ローンの返済ができ、同時に貯蓄もできる可能性が高まります。
家計の見直しをしないままマイホームを購入する人は要注意
一番問題なのは、頭金が少なくても住宅ローンの審査が通ってしまい、貯蓄癖がない家計のままにマイホームを購入することです。この場合、将来家計が破綻する可能性が高まります。なかには、マイホーム購入をしても、これまで通りに買い物、旅行、レジャー、趣味などにお金を使いたいという人もいますがとても危険な考えです。
イソップ童話の「アリとキリギリス」という物語をご存知でしょうか?
今だけを楽しむキリギリスのように将来のへの備えを怠るとその将来が訪れた時に非常に困ることになるので、アリのように将来の事を常に考え、行動し、準備をしておくのが良いという寓話です。
皆さんは自分自身がキリギリスになるか、アリになるかよく考えたうえで、今からすぐに家計支出の見直して日々の管理を行い、貯蓄癖を身につけることが、頭金が少ない人の対処方法となります。