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頭金が足りない?!

マイホーム購入時の資金計画の相談のなかで、統計上の数字ではありませんが、5組のうち3~4組の割合で、次のような問題について相談を受けます。

「マイホーム購入時の諸費用を支払うと頭金がほとんどありませんがどうしたらよいでしょうか?」
「頭金が物件価格の2割以上ありませんが、どうしたらよいでしょうか?」
「頭金を2割以上出すと預金がなくなりますが、どうしたらよいでしょうか?」

みなさんはどうでしょうか?
マイホーム購入時の頭金が少なくて心配な人のために、その対処方法について解説してみたいと思います。

まずは親からの援助金で頭金を増やすことを検討

“親のすねかじりとなる”などのネガティブなイメージを持っている人もいますが、贈与税の特例などを活用して、親からの贈与により頭金を増やすことが家計の負担を減らすうえでは最も有効的な方法のひとつといえます。
どのくらい負担を軽減できるか具体例でみてみましょう。

物件価格:3000万円
購入時の諸費用:200万円
自己資金:500万円
頭金:自己資金-購入時の諸費用=500万円-200万円=300万円

このとき、住宅ローンの借入金は3000万円-300万円=2700万円となります。
住宅ローンを、全期間固定金利2%、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りた場合、毎月返済額と支払利息の総額を計算してみます。

毎月返済額は8.9万円 支払利息の総額は約1057万円

ここで、親から「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」という特例を活用して、夫と妻がそれぞれ実父から250万円ずつ贈与税非課税にて贈与を受けて、頭金を当初の300万円から合計で800万円まで増やした場合、住宅ローンの借入金は3000万円-800万円=2200万円となります。

同じ条件で住宅ローンを借りた場合、毎月返済額と支払利息の総額を計算してみると次のようになります。

毎月返済額は7.3万円 支払利息の総額は約861万円

頭金を500万円増やすことで、毎月返済額は1.6万円、支払利息の総額は約196万円軽減することができます。

親から贈与を受けるのは抵抗があるからと借入をする場合もありますが、その時は住宅ローンと同様に利息を含め毎月返済を行わないと、税務署から贈与とみなされ贈与税を支払う必要があるので、経済的な負担は軽減できなくなるのでご注意ください。

本当に貯蓄で頭金を増やせるか?

といっても、誰もが親からの援助金を受けられるというわけではないと思います。
そこで、次の対処方法としては“貯蓄をして頭金を増やしてからマイホームを購入したほうがよい”ということになります。
しかし、現実的には数年間で貯蓄を増やすということは至難の業という人が多いのが実体です。

例えば、自己資金を500万円増やすと仮定しましょう。
現在、預金の利息はほとんどつかないので、今回は利息分を除外して計算します。

1年間で500万円貯蓄する場合 毎月約42万円貯蓄が必要
2年間で500万円貯蓄する場合 毎月約21万円貯蓄が必要
3年間で500万円貯蓄する場合 毎月約14万円貯蓄が必要
4年間で500万円貯蓄する場合 毎月約10万円貯蓄が必要
5年間で500万円貯蓄する場合 毎月約8万円貯蓄が必要

社宅や勤務先から家賃補助がある場合は除き、家賃を払いながら数年間で500万円貯蓄するのは現実的にはとても難しいといわざるを得ません。

もし、5年以上の時間をかけて頭金を貯めたとしても、子供が大きくなって部屋が手狭になる、家賃や更新料が無駄になる、住宅ローンの完済時期がどんどん高年齢化するなどのデメリットが多くなるのも事実です。

次のページで現実的な対処方法について説明します。