フランス車のいいところをちゃんとキープ
走りが、良かった。ルーテシアよりも、乗り心地がいいし、第一、楽しい。言わば、視線が高いだけのルーテシア、といった風情で、目線が高いぶん、かなり頑張って攻め込んでいける。そんなこと、するクルマじゃない、と、頭では分かっていても、知らず知らず、そう走ってしまっている。特に、前アシと両手が穏やかに繋がっているような馴染んだ感覚は、ああ、フランス車のいいところをちゃんとキープしているな、と、思わせた。ひょっとして、パワー不足かも、と試乗前には危惧したけれど、杞憂に終わった。十分。シャシー性能が高いので、これ以上あれば、そりゃ楽しいだろうけど、だからといって今が不満かと問われれば、そんなことはない、というほかない。
走り屋御用達のハコネターンパイクで試乗したのだけれども、下って上った頃には断然、欲しくなっていた。そんなコンパクトクロスオーバーSUVなんて、今までなかったと思う。
あ、ジュークニスモが、そうだったか……。でも、あっちはCVTが根本的に気持ちよくなかったし……。
キャプチャーの6DCTは、さほどダイレクトではないというものの、シュパシュパっと気持ちよく変速してくれる。操作に連なる全てが、同じ方向性でまとめられているからこそ、ドライバーは一体感を味わうことができるのだ。