金鉱株ファンドのメリットは
現物の金は保管場所に困る、小口投資は「バーチャージ」と呼ばれる手数料が割高になるので不利。かといって先物はレバレッジが高すぎてリスキー。ということで、世間ではETFを通じて金に投資するという流れが主流になってきました。現在、東証には金価格との連動を目指すETFが4本、上場されています。国内金価格か、海外の金価格かという違いはありますが、基本的にいずれも金価格とほぼ同じ値動きを目指します。
ETFですから、株式と同じようにいつでも市場で売買でき、最低取引金額も1株単位からなので、1万数千円程度から投資できます。少額資金で金に投資でき、かつ先物のようなレバレッジが掛らないので、誰でも手軽に金投資が出来るというメリットがあります。
最近はすっかり、「投資信託で金に投資する」というとETFが筆頭候補に挙がりますが、実はETFが登場する前から、金価格と相関性の高い値動きをする投資信託がありました。
ブラックロックが設定・運用している「ブラックロック・ゴールド・メタル・オープン」です。運用開始が1995年2月ですから、かれこれ19年も運用されている、日本では珍しい長寿ファンドです。
このファンドは為替ヘッジを掛けたAコースと、為替ヘッジをしないBコースがあり、自由に選べます。両方を合わせた純資産残高は73億6800万円。決して大きくはありませんが、繰上償還になるほど小さくもありません。
このファンドは、金そのものを組み入れているのではなく、金を採掘している企業、つまり金鉱企業の株式に投資しています。金鉱企業の株価というのは、基本的に金価格とほぼ同じ値動きをしますが、値動きの幅が金価格に比べて大きいという特徴があります。つまり、金価格が上昇している局面では、金鉱株の方がより高いリターンを期待できるのです。
昨年12月20日を起点にして、ロンドン金価格と同ファンド(Bコース)の基準価額を比較してみました。3月24日までの約3ヵ月間で、金価格の上昇率は9.66%。これに対してファンドの基準価額の上昇率は16.91%にもなりました。金鉱企業の株価は、金現物の価格に比べてより大きく動くことを証明しています。
運用管理費用と購入手数料が割高というデメリットはありますが、値動きの大きさは、ハイリスク・ハイリターンを狙う投資家にとって、何よりも魅力的だと思われます。