いにしえの都・長安の遺跡が現存する人気の観光地・西安
秦始皇兵馬俑。今もなお、西安を護り続ける古代の兵士たち (C)ToshioS
文明・文化の交流の地として栄えた西安
西安は陝西省の省都、
中国西部地区の中心都市です。かつて長安と呼ばれた古都であり、紀元前11世紀から10世紀までの約2000年という長きに渡って、西周から秦、漢から隋、唐の都城と十数の王朝の都として繁栄してきました。秦の始皇帝、漢の武帝、『史記』の著者・司馬遷、西遊記でおなじみの三蔵法師、中国史上唯一の女帝・則天武后、傾国の美女・楊貴妃など、たくさんの歴史的な人物が活躍した場所としても有名です。
そんな西安には世界的にも有名な歴史遺産が数多く存在。中国を代表する観光地として人気を呼んでいます。ここでは、西安の基礎知識を分かりやすくご紹介していきます。
中国七大古都の一つ。シルクロードの重要地点
西安の町並み。かつて、この地から各地へと文明が伝えられた
中国の七大古都といえば、
北京、西安、洛陽、開封、安陽、南京、杭州ですが、前3つはシルクロード交易と関連が深いと言われています。かつて西安はシルクロードの起点と言われていましたが、2007年4月に中国政府がシルクロードの起点を洛陽であると認定してから、そちらの説が有力となりました。とはいえ西安は、昔から中国の経済・文化交流の重要地点だったことは動かしようのない事実です。
日本の文化へ多大な影響を与えた古都・長安
青龍寺。日本の僧侶・空海がここに滞在したと伝えられる (C)ToshioS
日本との関係も密接で、平城京、平安京の街づくりは、長安城を習ったといわれています。また、隋・唐時代には、日本は留学生と留学僧を含む遣隋使、遣唐使を長安に派遣したことはよく知られて、阿倍仲麻呂は長安に50年以上滞在し、文化伝播と両国の友好のために尽力したといわれていますし、日本の僧侶・空海も西安の青龍寺で密教の法を受け、密教文化を一心に学んだと伝えられています。近くは2004年、西安で遣唐使・井真成の墓誌が発見され話題となりました。