ベルギー/ブリュッセル

グランプラスとブリュッセルの下町をまわる半日プラン(3ページ目)

ブリュッセルという都市名は聞いたことがあっても、いったいどこの首都か知らない人も多いのでは? 欧州のほぼ真ん中あたりに位置し、ベルギーの、そして今日EUの首都でもあるブリュッセルは、歴史的・文化的見所の宝庫。しかも、ほとんど歩いて回れるコンパクトさが、旅行者には大きな魅力。何はともあれ、ぶらりと見て回るブリュッセルの下町です。

栗田 路子

執筆者:栗田 路子

ベルギーガイド

ブリュッセル子の胃袋! レストラン街イロ・サクレ

王の家の左脇を抜けて、ハーブ通り (Marché aux herbes/Grasmarkt)を越えたところに、小さな肉屋横丁(Petite rue des Bouchers/Korte-Beenhouwersstraat)という細い路地があり、ここから先が、「ブリュッセルっ子の胃袋」「イロ・サクレ(Ilot Sacré、聖なる一角)」と呼ばれるレストラン街があります。暖かい季節や週末には、昼過ぎから夜中まで、食べる人、歩く人、客引きの店員さんでごった返すので、貴重品には充分な注意を! また、片言の日本語や中国語で呼びかけるお兄さんをちょっと不快に感じるかもしれません。

バナーが目印

人形劇場TOONE入り口

小さな肉屋横丁を中ほどまで歩いてふと見上げるとTOONE(トーヌ)と書いたバナー(横断幕)に気付くかもしれません。TOONEは、ブリュッセル伝統のマリオネット劇場です。後述のマロール地区で、16世紀から盛んに上演されていましたが、次第に下火になっていたため、その伝統演芸を保存するために、19世紀始め、あらためてここで始められました。一階はかつての人形劇場を再現したカフェになっていますが、今でも二階の会場で、週3回上演されています。古典語ですが、ストーリーのわかる演目なら充分楽しめるのでぜひ。

突き当たりが、「ムール貝とフリッツ(ポテトフライ)」をベルギーの国民食にしてしまった「シェ・レオン」(Chez Léon)の本店。11軒の小さな家を貫き、1日1トンのムール貝を捌くこの店は、良くも悪しくもイロ・サクレのシンボル的存在。

ここから、肉屋横丁(Rue des Bouchers/Beenhouwersstraat)を左方向に少し入った一角には、「小便小僧」の女の子版と、3000種以上のビールを扱うデリリウム・カフェ(Delirium Café)というビア・カフェがあるので、ビール好きの方は覗いてみてください。

 

もともとは露天商が並んでいた
アーケード通りのギャラリー・サンチュベール

18世紀、初の大型アーケード

ギャラリー・サンチュベール

シェ・レオンに向って、肉屋横丁を右方向へ上がっていくと、ギャレリー・サンチュベール(Galeries Saint-Hubert/St-Hubertus-Galerijen)というアーケード通りの中央に出ます。この周辺は、通りの名称からもお分かりのように、かつては、下町の肉や野菜などを売る露天商が立ち並ぶ雑然とした地域でした。

隣国に負けない近 代的で衛生的な街づくりを目指したベルギー建国当時の市長(19世紀中盤)は、露天商に立ち退きを命じ、当時の財力と技術の粋を尽くした、モダンで、明るい、屋根付き大ショッピング・アーケードを建設。オープニングには、近隣諸国から多くの貴族や資産家が集ったとか。その後、似たようなギャラリーは欧州各地に広まったのです。

今では、ギャラリー内には、有名チョコレート店や王室御用達のハンドバック店がありますが、ベルギー近代史を語るような、老舗店舗やレストラン、劇場や映画館も残っています。

 

小高い坂の上に立つ

聖ミシェル大聖堂

上述のギャレリーを通り抜け、右方向へ少し上ると、前方左手に聖ミシェル大聖堂が見えます。10世紀頃、このあたりに修道院があり、ロマネスク様式の教会から次第に発展拡大し、数百年をかけて、今見られるゴチック建築の大聖堂となったそうです。
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