ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

Star Talk Vol.9 花總まり、高貴なヒロインを生きる(3ページ目)

宝塚娘役時代に演じた数々のお姫様役はもちろん、日本で最初に『エリザベート』のタイトルロールを演じて以来、特に高貴なヒロイン役では右に出る者がないと言われる女優、花總まりさん。4月に世界初演される『レディ・ベス』では、16世紀に英国の黄金時代を築いたエリザベス1世の若き日を演じます。稽古も佳境に入った花總さんに、新たな持ち役の手応えをうかがいました。*観劇レポートを追記しました!*

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド


ためらうことなく全力で、心から演じたい

――これまでの作品を拝見していて、花總さんは「ヒーロー(相手役)を立てつつ自分も輝く」ことが出来る稀有な方だと感じます。その秘訣は?

「これまで私はどの立場の役でも、うわべの表現は嫌で、見た目がどうだろうと、嬉しい時は嬉しい、悲しい時は悲しいと全力で演じ、何も恥じることなく役に没頭してきました。相手を立てるということは、宝塚で娘役をやっていくなかで、素敵なヒーローの隣での居方を下級生の頃から学び、自然と身に着いたのかもしれません。自分の役への取り組み方としては、心からその人になる感覚を大切に、一生懸命やってきました」
『NO WORDS,NO TIME~空に落ちた涙~』撮影:阿久津知宏

『NO WORDS,NO TIME~空に落ちた涙~』撮影:阿久津知宏

――『NO WORDS, NO TIME~空に落ちた涙~』『モンテ・クリスト伯』など、近年はお母さん役でも輝いていらっしゃいますね。

「有難うございます。実際にはお母さんは経験していませんが、自分の子供だったら……と想像して、その気持ちになれるよう努力しています。想像力は豊かでいたいですね。そこから役を掴んでいくことが多いので」

――どんな表現者でありたいと思っていらっしゃいますか?

「表現力豊かな演技者でいたいですね。一つに凝り固まらず、何でも出てくる演技者になりたいです。そのために、いろんな舞台を観たり、一つ一つのお仕事に取り組んでいます。10年後20年後に“いい女優さんになったよね”と言っていただけるよう、深みを増していけたら……と思っています」

じっくりと的確な言葉を探しながら、質問に答えてくれた花總さん。全身全霊を捧げ、地道な努力を重ねてこそ、舞台上でスケール感たっぷりに、逆境にも揺るがない女性の芯の強さを表現するに至るのだと、目の前の可憐で気さくな彼女と話しながら感じられました。その彼女の“今”の全てが注がれた『レディ・ベス』、新たな“当たり役”誕生の可能性、大!です。

*次ページで観劇レポートを掲載!*

公演情報*『レディ・ベス

■公演日/劇場
・2014年4月13日(日)~5月24日(土)<プレビュー公演4月11日(金)・12日(土)>/帝国劇場
・7月19日(土)~8月3日(日)/梅田芸術劇場メインホール
・8月10日(日)~9月7日(日)/博多座 
・9月13日(土)~9月24日(水)/中日劇場

博多座HP動画情報
『レディ・ベス』博多座HPで、本作の音楽を連日演奏しているミュージシャンの方々への取材動画シリーズ「オケピ探検隊」が公開されています。それぞれの楽器についてのお話はもちろん、作曲家リーバイさんが本作でこだわったポイントなども聞くことが出来、興味深い動画です。博多座上演期間中(9月7日まで)限定だそうなので、お見逃しなく!

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