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散歩番組のルーツを探る(2ページ目)

まだまだ根強い人気のある「散歩番組」。では、その元祖って何なのでしょうか。一般的(というか、関西方面)見解を紹介しつつ、当ガイドなりの異見の述べてみたいと思います。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド


人とのふれあいこそが散歩番組の醍醐味

特別に感動的な人生を送っていなくても、それこそ街のどこにでもいる人が、喋ってみると結構面白かったりする。この基本テーマは、後継の散歩番組すべてに生かされる気がします。

逆に言えば、こうしたやり取りが上手くできる出演者でなければ、長く続く散歩番組にならないってこと。地井さんも、さまぁ~ずも鶴瓶師匠も、それぞれタイプは違うものの人との接し方が見事です。

もうひとつ、地味ではあるものの「クネクネ」が開発した、散歩番組に欠かせない技があります。それは「歩いている出演者を正面から撮る」ことでした。

簡単そうに見えて、至難の業

なんて言われても「何それ?」と、冷たい反応しか返ってこない気もするので、細かく説明しますが。街歩きなどのロケでは手持ちのカメラが活躍しますが、はるか以前は移動撮影といってもカメラマンは前進しかしないものでした。だから歩く出演者は背後から撮るか、せいぜい斜め横に回るしかなかったんです。

そこに画期的な手法で、真正面から出演者を撮ることを可能にしたのが「クネクネ」スタッフでした。そのやり方とは「後ずさりしながら撮る」こと。「そら、そうだろ」と呆れてますか? 

前進しながらの撮影でも手ブレに注意が必要なのに、後ずさりではまともな映像になるはずがないというのが従来の常識だったんです。それを技術の力でカバーしたのだから、撮影史に残る偉業でしょう。今では全国のカメラマンがその技術を受け継ぎ、散歩番組をはじめとしたロケに生かされてます。
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