演劇界のチームリーダーが集結 その名もねずみの三銃士!

生瀬勝久さん、池田成志さん、そして古田新太さんという演劇界のチームリーダー3人が”今、1番やりたい芝居を自分たちの企画で上演したい”と結成した「ねずみの三銃士」。2004年の『鈍獣』、2009年の『印獣』に続き、5年振りに彼らがPARCO劇場に帰ってきました!

 前ニ作に続いて宮藤官九郎さんの新作書き下ろし、河原雅彦さんの演出という最強タッグで上演される「ねずみの三銃士」第3回公演『万獣こわい』。初日に先駆けて行われた公開舞台稽古の模様を舞台写真と共に演劇ガイド・上村由紀子がリポートします!


パルコ

(撮影: 演劇ガイド・上村由紀子)

◆あらすじ
「サニーズカフェ」の開店を明日に控え準備をしているマスターの町田(生瀬勝久)とその後妻・陽子(小池栄子)。すると突然「助けて下さい!」と制服姿の少女・トキヨ(夏帆)が飛び込んでくる。彼女は店の近所のマンションに8年間も監禁されている被害者で、彼女と一緒に監禁されていた他の家族はヤマザキという男によって毎年ハロウィンの晩に1人づつ殺されていったと訴える。

それから7年が経ち通常の営業を続けている「サニーズカフェ」。常連客の埜呂しんご(池田成志)や町田の前妻の弟・馬場(小松和重)らが出入りするこの店に、7年前、無事警察に保護され今はOLとなったトキヨが突然訪ねてくる。そして数か月後、カフェを手伝い始めたトキヨのもとにやってきた彼女の里親・アヤセ(古田新太)。人懐っこいアヤセの笑顔に安堵する面々。しかしアヤセの登場により事態は思わぬ方向に……。

パルコ

(撮影:演劇ガイド・上村由紀子)

まずオープニングの”ひとくすぐり”で「ああー ねずみの三銃士が帰って来た!」とワクワクさせられ、一気に物語の世界に引き込まれます。一見平穏に暮らす夫婦の許に監禁事件の生き残り被害者と言うとんでもない”非日常”を抱えて飛び込んでくる少女。そしてその少女が小さなカフェを新しい居場所に選んだ事で、怖ろしい非日常がいつしか日常になっていく展開は今も日本のどこかで現実に起きている事件のようにも思え、背中に冷たいものがすーっと流れます。

「最近のメディア出演では真面目な役が多かったので今回の舞台では弾けたいと思います。」とコメントした町田役の生瀬勝久さん。確かに大河ドラマ『八重の桜』や1月クールのドラマ『隠蔽操作』の上條役とは全く違い、前妻や娘、そして後妻の陽子の存在に板挟みになりながらトキヨに支配されていく中年男性の様を情けなく、カッコ悪く演じる姿が秀逸。その妻・陽子役の小池栄子さんは今回も安定した芝居で、作品中唯一ほぼまともな人物を真っ直ぐ演じ切る姿が印象的でした。

パルコ

(撮影: 演劇ガイド・上村由紀子)

芸達者な俳優陣の中で本作が2回目の舞台出演となるトキヨ役の夏帆さん。可憐で純真に見える少女が持つ別の顔……トキヨ役の女優さんに説得力がないと本作は成立しないのですが、「ここまで来たら肚(はら)を括って、じぶんらしく楽しんで舞台に立てたらいいなと思っています。」とのコメント通り、生き生きとピュアとダーク……相反する顔を持つトキヨという役に全力でぶつかっている姿が本当に魅力的! この演技を見て彼女に支配されたいとつい思ってしまう男性、かなり多いのではないでしょうか。(その先にはとんでもない行く末が待っている訳ですが……THE魔性)。

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(撮影: 演劇ガイド・上村由紀子)

トキヨの里親・アヤセを演じている時の古田新太さん。一見温和に見える人物なのに、ある音楽を聴くと狂暴化したり、段々見た目とは違う一面を表に出してきたりとかなりのクセモノ振りを発揮。当たり前ですが、『あまちゃん』の太巻とも、生瀬さんと共演した『隠蔽捜査』の伊丹とも『五右衛門ロック』の石川五右衛門とも全く違う佇まいにグイグイ引き込まれます。

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