日本人が作った漢字「国字」
日本で作られた漢字を「国字」といいます。この国字の中に、「躾(しつけ)」という漢字があります。広辞苑によれば、「しつけ」は礼儀作法を身につけさせる意味。古代の日本人は、「身」+「美」を組み合わせた漢字で「しつけ」を表すことにしたのです。「人」+「動」で「働」、「山」+「上」+「下」で「峠」など、中国から渡ってきたものばかりでなく、日本人の知恵によって創作された漢字も数多くあるのです。
<国字の例>
車+雪で、轌(そり)
人+弟で、俤(おもかげ)
石+谷で、硲(はざま)
雨+下で、雫(しずく)
木+花で、椛(もみじ)
想いを込めた漢字
漢検1級対象の漢字で、原+心で「愿(ゲン)」という漢字があります。これは訓読みで「すなお」と読みます。普通「すなお」は「素直」と書きますね。これを漢字一字で表しているのです。他にも漢検準1級、1級で出題される、漢字一字の訓読みで表すことができる言葉の例を紹介します。
禧(めでた)い
晤(うちと)ける
恕(おもいや)る
諒(おもいや)る
眷(こいした)う
饗(もてな)す
朋(なかま)
忠(まごころ)
丹(まごころ)
謇(まっすぐ)
饒(ゆとり)
贐(おくりもの)
「今、あなたに贈りたい漢字」で応募が多かった「絆(きずな)」は、2011年の「今年の漢字」にも選ばれました。この「絆」も漢検1級の漢字ですが、震災以降、被災地復興に向けてこの漢字が多く使われるようになり、今では誰もが読んで書ける漢字になりました。
漢検1級の対象漢字は常用漢字も含めて6,000字もあります。その中にはあまり知られていない、絆を感じる漢字、優しいイメージの漢字が多く埋もれています。そんな漢字を見つけて、心を込めて大切な人に贈ってみてはいかがでしょう。