出産・育児費用/出産費用 妊娠から出産でかかるお金(分娩費等)

不妊治療の助成金にはどんなものがある?(2ページ目)

特定不妊治療に対する国の助成が始まった2004(平成16)年には約1万4000件だった助成件数が、2015(平成27)年には約16万件(平成29年7月5日 朝日新聞より)に達しています。2016(平成28)年4月より妻が43歳未満、通算6回までと制限が付きました。不妊治療には多額の費用がかかりますが、国や自治体では助成金を用意しています。その助成内容や対象者などについて解説しましょう。

拝野 洋子

執筆者:拝野 洋子

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 / 年金・社会保障ガイド

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特定不妊治療支援助成金を受給するための手続きは?

助成金の入金時期にも注意

助成金の入金時期にも注意

申請窓口は、住所地管轄の市区町村役場(保健センターや保健所)です。申請期限が自治体により異なるのでよく確認しましょう。治療終了から60日以内など申請期間を設けている自治体や年度内(翌年3月31日まで)に手続きすればいい自治体が多いです。通常、申請後審査に2カ月ほどかかり、1カ月後に入金されます。

また、助成を受けるには原則、申請する自治体に住んでいる必要があります。また、夫婦の片方だけ居住なら助成金の対象者になる自治体、夫婦両方居住でなければ助成されない自治体など、夫婦同居要件も自治体により異なります。

国と自治体のダブル受給が可能な場合も

都道府県もしくは市区町村どちらかの助成を選ばなければならない自治体もあれば、都道府県で助成金の支給決定があってから、市区町村に一定期間内(6カ月以内または1年以内が多いが2カ月以内もあり)に助成金を申請できる自治体もあります。

国と自治体の助成金をダブル受給できる可能性もあるのです。医療費の領収書はなるべくコピーを取っておくと、両方に申請するときに便利かもしれませんね。

独自の助成を行っている自治体の例

以下に、独自の助成を実施している自治体をいくつかご紹介します。

京都府
人工授精などの一般不妊治療助成は、事実婚夫婦(申請時は法律婚)も助成対象。特定不妊治療助成は法律婚夫婦のみ対象。妻の年齢43歳までの制限はあるが、回数は通算10回まで助成される。治療開始時から申請まで夫婦で居住が必要。

東京都港区
助成対象者の所得制限なし。不妊治療開始日から申請日まで住民登録が必要。妻には30万円、夫には15万円になるまで申請できる。

東京都品川区
人工授精などの一般不妊治療も助成対象。所得制限なし。夫婦のどちらかが申請日前に1年以上住民登録必要。

北海道東川町
夫婦合計で所得730万円未満の所得制限ができ、一般不妊治療費用及び特定不妊治療費用全額を町が負担。申請日時点で6カ月以上住民登録が必要。

神奈川県大和市
人工授精などの一般不妊治療も助成対象。夫婦で居住していることが必要。

長野県塩尻市
一般不妊治療も対象。事実婚の夫婦も助成の対象。夫婦の一方が申請日前1年以上住所を有していることが必要。

三重県をはじめ、男性不妊治療の助成を行っている自治体も急激に増加中。

男性不妊に助成金を支給する制度は三重県が最初でしたが、福井県、大分県、京都府、山形県、秋田県、福島県、東京都、神奈川県、埼玉県、山梨県、岐阜県、滋賀県など男性不妊治療の助成を独自に行っている自治体も急に増加しています。ただし、これらの県が男性不妊を助成しているのは全ての市区町村にではありません。

この数年で、人工授精までの治療である一般不妊治療助成、男性不妊助成を行う市区町村は大幅に増えました。不妊治療の助成を検討する方は、お住いの市区町村を確認してみましょう。

次ページで助成金のほか、費用の支払いを助けてくれる手段を確認してみましょう。
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