子育て/子育てに役立つ最新心理学

しゃべらないからといって「言葉が遅い」わけではない(2ページ目)

子供の成長は個人差が大きいとは分かっていても、やっぱり不安になることはあるもの。言葉の発達はその代表格ではないでしょうか? この記事では、「うちの子、言葉が遅いかも」というママの不安を和らげてくれる情報をアメリカの調査結果とともにご紹介していきます。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

言葉を発することだけに目を向けない

「うちの子、言葉が遅いかも……」と感じると、親としては言語能力アップに役立ちそうなおもちゃや教材を使ってなんとか言葉を引き出したいと考えてしまいがち。でも、このリサーチの研究者達は、言葉の発達に直接働きかける以上にやるべきことがあると言っています。それはなにかというと、

  1. 社会性を育むこと
  2. 自信をアップさせること
  3. 自立心を向上させること

これらを具体例で言い換えると、

  1. 同じくらいの月齢の子と遊ぶことで、社会性を育む
  2. ママが適切なほめ方でほめてあげることで、子どもの自信を高める
  3. ママができるだけ見守りに徹し、子供に達成感を体感してもらうことで、自立心を向上させる

例えば、砂場でお友達と泥んこになって遊ぶことだったり、親がきちんとほめてあげることだったり、1人で頑張って積み木を積み重ねることだったり……。内向的な子のシャイな部分をカバーするようなアプローチが適切な対処法なのですね。


子供の意見を否定しない心がけを

私は海外生活が長く、外から日本を見る機会が多いので、日本人の得手不得手によく気づかされるのですが、日本人は大人も子供も自分の考えを発言するのがとても苦手です。その背景には、
「自分の意見は間違っているかもしれない」
「他の人が賛成してくれなかったらどうしよう」
という気持ちがあります。

おもしろいことに、欧米人は全く逆の捉え方をします。
「意見とは自分の思ったこと、感じたこと。だから正しい、正しくないで判断されるべきではない」
「賛成してくれれば嬉しいが、違う意見があって当然だ」
正誤を追及していないので、躊躇なく意見を言えるのですね。

著書「輝くママの習慣」に、子供に自分の考えをどんどん発言させるためのヒントを載せましたが、「考え」というのは、そもそも自由なもの。親であっても子供の考えを左右しようとしたり、真っ向から否定してしまうことは望ましくないのです。

まだおしゃべりの始まらない1歳の子であっても、ちゃんと言い分はあるはず。どんなわめき声も叫び声も1つの考え、1つの意見と思って、ぜひ打ち消さずに聞いてあげてください。これは、「はいはい」と何でも言うことを聞いてあげるという意味ではありません。賛成できなくてもいったんは耳を傾ける、こういう積み重ねがしゃべることへの自信につながっていきます。

 


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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