犬の気持ちを理解するために知っておきたいこと

犬の気持ちを仕草や行動かわ読み取る

犬があくびをするときの気持ちって?


愛犬を目の前に、「このコはいったい何を言いたいのだろう?」と思ったことはありませんか? 人と犬とでは動物としての種が違うためにすべてを理解するのは難しいですが、少しでも犬たちを理解してあげることができれば、お互いの関係ももっとうまくいくことでしょう。そのために知っておきたい犬のボディランゲージやサインについてのお話です。

<INDEX>
しぐさや表情、その時の状況など全体的に判断
服従(*)のしぐさと姿勢
攻撃のしぐさと姿勢
自分を守りながら攻撃するしぐさと姿勢
ストレスサイン
お互いを落ち着かせるカーミングシグナル


しぐさや表情、その時の状況など全体的に判断

最初に一言。犬のボディランゲージは「こんなしぐさが見られたから、今こういう気持ちでいるんだ」と短絡的に結論づけることはできません。顔の表情、耳やしっぽなど体の部位の動き・位置、姿勢、その時の状況など全体を見て総合的に判断するべきものであり、以下に挙げることがそれぞれに必ずしもそうであるとは限らないということを忘れないようにしてください。

愛犬の気持ちを知るには、彼らを理解しようとする姿勢と観察眼が必要ということです。


服従(*)のしぐさと姿勢

服従的気持ちがある場合

服従的態度が見られるポーズ。やや姿勢が低く、耳の位置や体の重心など全体的に後方へ向かっている。


(*ガイドは「服従」という言葉には違和感を覚えるのですが、ここでは便宜上使用することとします)

感情や状況が変化するに従って、犬のしぐさや姿勢にも変化が見られます。何かの刺激があって興味を覚えたり、興奮したりするとしっぽが上がり、耳も前方に向けて立ち上がりますが、嬉し いと感じるか、不安を感じるか、恐怖を感じるか、攻撃をしかけるかなどによって姿勢やしぐさ、表情などが変化していきます。

基本として覚えておきたいのが、服従的な気持ちや不安があるほどに体の重心や耳の位置、唇の端(口角)が後方へ後方へと下がるともに、姿勢やしっぽの位置も下がるということ。逆に自分に自信があり、攻撃態勢に移るほどに体の重心や耳の位置、唇の端は前方へと向かい、姿勢やしっぽの位置は高くなっていきます。

このイラストの犬は服従的な気持ちを示しています。こうしたお尻を高く上げて前足を差し出す姿勢はよく「遊びを誘うポーズ」と言われますが、しっぽは下がり、耳は後方に倒れて全体の姿勢が低くなっており、体の重心もやや後ろになっています。オテ のように前足を差し出したり、相手の口の周りを舐めようとしたりすることもあります。雰囲気的にも攻撃性は感じられず、穏やかです。

この犬がもう少し自分に自信があり、相手に対してそれほど服従的気持ちを感じていないなら、しっぽの位置と姿勢ももっと高くなり、耳も前方に傾けて立つことでしょう。

自分に自信があるか、相手に服従的な気持ちを感じているかどうかでしっぽや耳、姿勢の位置が 微妙に変化するのが見ていて面白いところです。
服従的気持ちが強くなった場合

服従の気持ちがもっとも強くなると、相手にお腹を見せて横たわる。


服従的な気持ちがもっと強くなると、相手にお腹を見せて横たわります。下腹部というもっとも弱いところをさらけ出すことによってそれを示しています。通常、このようなポーズをとっている相手に対して、犬は攻撃をしかけないものです。

ただし、お腹を出しているからといって、それがすべて服従にあたるとは限りません。単純に気持ちのいい時や、ゆったりくつろいでいる時、自分の身を守るためなど、他のシチュエーションでもお腹を見せることはあります。


攻撃のしぐさと姿勢

攻撃的な気持ちがある場合

自分に自信のある攻撃性を感じるポーズ。しっぽの位置や姿勢は高くなり、耳の位置や体の重心など全体的に前方へ向かっている。


一方、このイラストの犬は自分に自信のある攻撃的態度を示しています。しっぽの位置は高くなり、耳も前方に向けて立っています。鼻には皺がより、唇の端はすぼまったように前方へ。背中や首の後ろの毛は逆立ち、姿勢は高くなり、体の重心は前方へ向かっています。目は相手をじっと凝視し、全体的に体が緊張しており、硬くなっているのがわかります。こうなるといつ攻撃に出ても不思議はありません。

時々、「うちのコはしっぽを振っていたのに相手に咬みついた」などという話を耳にすることがあります。昔から犬は喜んでいる時にしっぽを振ると言われてきましたが、それは正しくもあり、間違ってもいます。

犬は、何らかの刺激によって神経に昂りを感じる時にしっぽを振る、と言っていいでしょう。ですから嬉しい時、楽しい時にもしっぽを振りますし、不安を感じている時、発情シーズンに性的な興奮を感じた時などにも振ることがあります。そのシチュエーションによって、振り方が少々違うというわけです。

しっぽはその位置と振り方に注目してみると違いがわかると思います。嬉しい時や楽しい時にはしっぽが背中と同じくらいか高い位置になり、しっぽを振る幅も広い傾向にありますが、不安や緊張を感じていると位置が低くなり、振る幅も狭くなってきます。自分に自信のある犬はしっぽを高く掲げ、振り方も ややゆったりめ。位置がだんだんに下がって、振り方が早くなると、その分服従的気持ちを感じ取ることができます。


自分を守りながら攻撃するしぐさと姿勢

攻撃的な気持ちに不安や恐怖も入り混じる場合

不安や恐怖を感じつつ攻撃性を示すポーズ。しっぽや姿勢はやや低く、耳の位置や体の重心は後方に向かいながらも攻撃性を見せている。


窮鼠猫を噛むという言葉があるように、同じ攻撃態勢であっても、不安や恐怖を感じていると自分の身を守るために攻撃的態度に出ることがあります。この犬は、攻撃的態度を示しつつも、耳や体の重心、唇は後方に向かっており、その分、不安や恐怖も感じていることを示しています。こういう場合、できるなら相手にその場から立ち去って欲しい、ケンカは避けたいと思っていることしょう。

人間も同様ですが、動物には限界域というものがあります。相手がそれ以上近寄ってきたら攻撃するか、もしくは逃げるという境界線のことです。相手がその限界域を超えて近寄ってきたら、おそらくこのタイプの犬は攻撃をしかけるだろうと思われます。カプッとひと咬みしたら、そのまま逃げてしまうかもしれませんし、興奮してさらに攻撃してくるかもしれません。人が犬に咬まれる場合、こうしたケースが多いのではないでしょうか。

以上、これらのポーズは犬のボディランゲージの基本となります。