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愛犬と楽しくクリッカートレーニング!-4(3ページ目)

4回目を迎えるクリッカートレーニング。今回は、シェイピングについてもう少し学び、実際にそのシェイピングを用いて、“Go to Bed”を教えてみましょう。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

“Go to Bed”に挑戦してみよう!

“Go to Bed”
 
“自分のベッドに行ってくつろぐ”という行動を、シェイピングを用いて教えてみます。まず、トレーニングを始める前に、これから始めるよという意味で、「クリッカーを鳴らす⇒ご褒美を与える」を10回程度繰り返してください。

ベッドのほうを見る
 
最初の段階では、ベッドから近い距離で始めます。犬がベッドのほうを見る、ベッドの匂いを嗅ぐ、ベッドのほうへ進む、という行動が見られただけでクリック。そして、すぐにご褒美を与えます。トレーニングの最中は人間のほうが硬くならないように。あくまでも自然体で観察するよう心がけましょう。

ベッドに前足をかける
 
ベッドに前足をかけました。クリック⇒ご褒美、を。

ベッドに4本の足が乗る
 
次のステップでは、4本の足がベッドに乗ったら、クリック⇒ご褒美、です。

ベッドの上に座る
 
段々と目的の形に近づいてきました。今度は、ベッドの上でオスワリをしました。そのタイミングを逃さずに、クリック⇒ご褒美、を。

ベッドの上で伏せる
 
ベッドの上でフセをしてくれました。これでほぼ完成形です。タイミングよくクリッカーを慣らし、ご褒美をあげましょう。この行動が定着したようなら、この段階でキューをつけます。キューとなる言葉や合図は、予め決めておいてください。

ベッドへ行って座る
 
ここからは、自分がいる位置をベッドから少し離し、キューで送り出すようにして、犬がベッドへ行き、その上で座るのを待ちます。ただし、いきなり距離を開けてしまうと、スティミラスコントロールが崩れてしまうことがあるので、離れる距離は少しずつ。

ベッドの上でくつろぐ
 
一度ベッドに向かって行って、その上に乗る(座る)、という行動ができるようになれば、最終的な目的となる行動までにはあと一歩。目的の「ベッドに行ってくつろぐ」を達成です。キューを出す時には一回のみ、何回も出さない、ということもポイントです。

犬が考え出すのを待つ、根気のいる作業

実は、この撮影時、モデル犬を務めてくれたマーロン君には、写真にあるベッドに乗ってくつろぐという行動は、普段身についたものではありませんでした。キューがつき、山田さんとベッドとの距離が開いてからのマーロン君には、少々混乱が生じた様子でしたが、ある瞬間、「どうすればいいのかな?」と“考える”素振りが彼に見られたのをガイドは見逃しませんでした。

距離が開いてからのステップを、山田さんはさらに細分化し、もう一度“ベッドを見るだけでクリック”“ベッドに近寄ったらクリック”という作業を繰り返したのです。この辺は我慢のしどころ、犬が“あ!これか!”と気づくまで、根気よく待ちます。

マーロン君はやがて気づきました。自らベッドのほうへ近づいて、ピョン!と乗ったのです。山田さんはすかさずクリッカーを鳴らし、ご褒美を与えました。ここからは実に早い。マーロン君は、“やっぱりこれでいいんだね?”と嬉しそうにその行動を確実に、何回も繰り返すのです。クリッカーである行動を覚えるということは、こういうことなのかということを目の当たりにし、この“気づき”の一瞬を分かち合えることにクリッカートレーニングの楽しさと奥深さがあると感じたガイドです。

さぁ、楽しさがだんだんとわかってきたところで、次回は、ターゲットの話へと移っていきます。


【関連記事】
クリッカートレーニング-1(基本)

クリッカートレーニング-2(タイミングと観察力の身につけ方)

クリッカートレーニング-3(キューのつけ方)

クリッカートレーニング-5(ターゲット・トレーニングについて)

クリッカートレーニング-6(エモーショナルシグナルについて)

クリッカートレーニング-7(ターゲットスティック/ダウンを教える)

クリッカートレーニング-8(ヒールワークを教える)

【関連サイト】
PRAISE TOUCH(『プレイズタッチ・パートナーズ』公式ウェッブサイト)
RICO’S CANINE MASSAGE SCHOOL(山田さんが主宰するスクールのサイト)
RICOSホームページ(山田さんの活動に共感された企業がRICOSブランドを展開)

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