仕事風景

実際にはどんな仕事をするのか?

マンション管理士とは一体どんな仕事をするのか?

これからこの資格を取得しようと準備されている方も、おそらく「管理組合の相談相手になってコンサルするんでしょう?」くらいの漠然としたイメージしか持ってないのではありませんか。

これから、マンション管理士の仕事内容についても、実務レベルに踏み込んでご案内してまいります。

その初回として、まず「マンション管理士のミッションとは何か」について考えてみます。

管理組合が抱えるリスクとは?

管理組合の目的は、「マンションの資産価値をできるだけ長期にわたって保全するともに、快適な居住環境を確保すること」にあります。

ところが、この組合の活動を支える義務をもつ区分所有者は、マンション管理に必要な情報・知識を通常は持ち合わせていません。つまり、管理組合はいわば「素人集団」に過ぎないわけです。

しかも、多くの区分所有者は、管理組合の活動に消極的なだけでなく、無関心層が多い傾向にあります。その結果、以下のようなリスクを抱えることになります。

(1)管理組合自らの自主性・判断力が低下し、機能不全に陥る
(2)管理会社等との利益相反関係から、不当に高いコスト負担を強いられる
(3)必要な保守点検や修繕が施されず、資産価値が低下する
(4)管理規約等のルールが守られず、トラブルが発生し、居住価値が低下する

マンション管理士の制度は、このような管理組合が抱えるリスクを未然に防ぐ、あるいは顕在化したリスクを解決することを目的に創設されました。

これまでは、「素人の集まりである管理組合でも、管理会社に任せておけば大丈夫」という前提でやってきましたが、実際にはそれではうまく機能しないことが明らかになってきたからです。

管理組合の「経営力」の向上

すでに述べたように、管理組合を構成する区分所有者は、総じて組合運営に無関心で、役員の就任にも消極的です。そのため、区分所有者間の負担を公平にすべく、役員の輪番制を採用しています。

その結果、多くは1年毎の交代で役員は「お役御免」となるため、会社で例えれば取締役会に相当する、理事会の「経営力」は一向に高まらない傾向があります。

それでも、新築後10年程度はさほど大きな問題は発生しないでしょう。しかし、建物が老朽化すれば修繕やトラブルも増えます。特に大規模修繕では、いつどのように実施するか? 誰に依頼するのか? 資金は十分か? ……等の検討が必要になり、自ずと専門知識や情報が必要になってきます。

ところが、徐々に住人も高齢化し、賃貸住戸も増えるとますます役員のなり手が減るため、理事会は弱体化していきます。

年経る毎に、マンションが抱える課題の数が増え、その難易度も高まるのに、それを支える理事会は弱体化する……これが、管理組合が機能不全に陥りやすい道筋です。

マンション管理士は、こうした理事会の弱体化、管理組合の機能不全を防ぎ、理事会役員の業務負担を軽減する役割を担うことができるでしょう。

次ページでは、マンション管理士の第2・第3のミッションについてご案内します。