年金/公的年金制度の問題

「宙に浮いた年金」いまだ2100万件、あなたは大丈夫?(2ページ目)

2014年3月で、年金記録問題の確認作業が一つの区切りを迎えることになりました。宙に浮いた年金記録5095万件のうち、いまだ4割が解明できていない状況です。今後は我々が自分で記録を確認し、自分で申告する流れとなりそうです。ここで再度、記録漏れについて確認してみることをおすすめします。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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年金記録問題で出てくる3つの用語をおさらい 

年金記録問題では「宙に浮いた年金記録」「消えた年金記録」「消された年金記録」と3つの言葉が出てきますが、混同して使われていることがありました。念のため簡単に確認しておきましょう。

・宙に浮いた年金記録
基礎年金番号に統合されていない記録

・消えた年金記録
保険料を納付した証拠(領収書や給与明細)があるにもかかわらず、国に記録がないもの

・消された年金記録
保険料を納付した証拠を職員が意図的に改ざん、消去したもの

これ以上の確認作業はコストがかかる割に…

国は5095万件の記録を全件照合するとしていました。しかし件数が膨大であり、また過去の記録自体が不備が多く、紙媒体の保存状態も悪いため、かなりの困難が予想されました。

・過去の記録(紙媒体の記録とコンピュータ記録)の再確認作業
・加入者に対しねんきん特別便を送付し、記録の確認を依頼
・漏れの可能性が高い対象者に戸別訪問

など、多額のコストを掛けて作業を進めていきましたが、ここ数年の統合件数の推移を見ると頭打ちの状況。確認が困難として残された記録について、今後も多額のコストを払い続けて調査を続けることはどうなのか? との指摘があります。

高くのコストを払うのは国民自身でもあり、どこまで続けるのか? これは難しい判断となります。国はこの3年間を事実上「最後の調査期間」として解明に取り組んできたわけです。

記録漏れが多いパターンは?

典型的な記録漏れのパターンとして、国はまず以下の3つのパターンを挙げています。

・転職が多い
複数の年金番号があり、統合漏れがある可能性がある

・姓が変わったことがある
旧姓の記録が統合されていない場合がある

・名前の読み方が複数ある

入力作業で読み仮名を誤って登録され、統合できないケースがある

この3つで9割を占めているようです。

その他、
・勤めていた会社が合併、社名変更、倒産したことがある
・試用期間中に会社を退職したことがある
・保険外交員、期間工などとして勤めたことがある
・昭和61年3月までの期間で、学生や専業主婦だった方が国民年金に加入(保険料を納付)していたことがある

これらのケースも漏れや誤りの可能性があると言われています。

集中調査期間は終わっても、漏れが見つかれば訂正は可能です。上記に該当する人はもちろん、該当しない人も、今一度ねんきん定期便やねんきんネットで自身の記録を確認することをおすすめします。

【関連記事】
将来の年金早わかり!「ねんきんネット」の使い方

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