言葉で表現する力を楽しく引き出す『やさいだいすき』
1歳を過ぎてから2歳前後にかけての子どもは、発する単語が少しずつ増えていきます。そして次第に、自分の持っている単語を、並べて表現しようとする力が育っていきます。絵本『やさいだいすき』には、18種類もの野菜が登場。物の名前を覚えることに意欲を持ち始め、数や形、色の違いに関心を持ち始めたお子さんの表現力を、楽しみながら広げるのに一役買ってくれそうです。
数・形・色でたくさんの野菜を表現
登場するたくさんの野菜たちは、つぶらな瞳でにっこりと笑っていたり、目を閉じたすまし顔だったり。切り絵という形で表現され、浮かび上がってくるような野菜たちの姿も、子どもたちには印象的でしょう。「だいこん いっぽん。にんじん にほん」。「まるい じゃがいも。ながい ねぎ」。「なすびは むらさき。とうもろこしは きいろ」……。数や形、色を表現する単語の意味がまだまだ分からなくてもいいのです。子どものペースでページをめくったり行ったり来たりしながら、絵を見て言葉を並べる楽しさを共有できるといいですね。「好き」は興味から始まる!
楽しい野菜の絵本を見たからすぐに子どもが野菜好きになるわけではもちろんありません(そうだったら苦労しませんね!)。でも、「何だか気になる」という興味は、いつしか「好き」という感情に結びついていくのも少なくないこと。絵を見て興味を持った野菜たちをお店に探しにいけば、食卓でも楽しい気持ちで迎えられるかもしれませんね。日々様々な新しいことを覚えて吸収していく小さな子どもは、色々な意味で気まぐれ。「好き」も「きらい」も、ちょっとした気まぐれで左右されることも多いのです。そして意外と、親が無意識のうちに「こんな野菜は子どもは苦手かな?」と抱いている気持ちが、その野菜を食卓から遠ざけてしまうことも……。『やさいだいすき』は、表現する楽しみを感じてきた子どもの野菜に対するイメージを、さりげなくプラスの方向に誘ってくれるでしょう。