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リプロダクト、ジェネリック家具の購入はアリか?

最近、ネットや家具のショップで、デザイナーズのリプロダクト家具とかジェネリック家具というコトバを目にすることが多くなりました。家具、特に椅子に詳しい人は「あの名作椅子が、この価格?」と思う人もいるでしょうし、これから一人暮らしをはじめる若い人たちは「安くてカッコいい」と感じているかもしれません。この「リプロダクト家具」は模造品(コピー)なのかどうか実際に椅子を1脚購入して検証してみました。

喜入 時生

執筆者:喜入 時生

インテリア・建築デザインガイド

デザイナーズ家具とは?そして意匠権とは? 

一般に「デザイナーズ家具」と呼ばれているものは、海外はもちろん、国内のデザイナーや建築家がデザインした家具たちです。特に、椅子に関しては一般的に、20世紀に建築家やデザイナーによって設計された、商品化されている完成度の高い椅子を指すことが多いようです。
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雑誌『ブルータス』2000年8月15日号の表紙。「20世紀ベスト100チェア 世界で一番好きな椅子」。この表紙だけでも80脚の写真が掲載されていますが、ざっと見ただけでも、この中の約2/3の椅子は、リプロダクト品があると思われます。中ではイームズの特集や椅子コレクターとして藤井フミヤさんのインタビューが載っています。この中には見たことのある椅子も多いことでしょう

デザインされた製品には意匠権があります。意匠権とは、ウィキペディアによると「新規性と創作性があり、美感を起こさせる外観を有する物品の形状・模様・色彩のデザインの創作についての権利をいう。意匠法で規定された産業財産権で、権利期間は登録設定から20年(日本国内の場合)。」とありました。

法律に詳しくないので、念のために、都内の特許事務所に電話で質問してみました。回答としては「おっしゃる通り、意匠権の保護は日本では、申請・登録してから20年です。アメリカでは14年、ヨーロッパでは25年。家具のデザイン関しても適用されます。理由としては、後から出てくるデザイナーの生産活動を制限することがないようにするためです」とのことでした。

なるほど。それで、大勢のメーカーが「コルビュジエ」とか「イームズ」とか、堂々とデザイナー名を冠した椅子などを発表しているわけですね。そこで気になるのが「正規品」というコトバです。つまり、たとえば50年前のデザインには意匠権は発生していないので、正規も非正規(?)もないような気もするのですが…。
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上は、建築界の巨匠、ミースがデザインした「バルセルナチェア」。下は、コルビュジエによる「LC4」どちらも、正規品と呼ばれるメーカーの半額くらいからイタリア製のリプロダクト品があります。質は分かりませんが数万円のものもあるようです。イラスト:tetsushi


そこで、日本ではもっとも有名で流通量も多い「デザイナー椅子」と思われる、チャールズ&レイ・イームズが20世紀半ばにデザインした、シェル・チェアについて検証してみることにします。
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