大きくなることへの希望が湧いてくる絵本 『おおきくなるっていうことは』
子どものお誕生日や卒園、また入学・入園といった節目の時だけでなく、大人は、日々の生活の中で「ああ、うちの子も、大きくなったなあ」と嬉しく思う瞬間に出会います。では、子どもたちは、どんな時に自分自身の成長を感じるのでしょう? そんなことを考えていた時に、絵本『おおきくなるっていうことは』に出会いました。子ども自身が、自らの成長を実感できると同時に、大きくなることの嬉しさや成長への希望が湧いてくる素敵な絵本です。『おおきくなるっていうことは』心もでっかくなるんだね
みなさんは、子どもが大きくなるって、具体的にどんなことだと思いますか? この絵本では、こんな風に言っています。おおきくなるっていうことは ようふくが ちいさくなるってこと
おおきくなるっていうことは まえよりたかいところから とびおりられるってこと
とびおりても だいじょうぶかどうか かんがえられるってことも
おおきくなるっていうこと
子どもたちは、自分にあてはまることが出てくるたびに、ちょっぴり得意そうな顔をして、絵本を見つめます。あてはまることが増えていけば、それはその子にとって大きな自信につながりますね。わずか数分の読み聞かせの中で、自信を深めていく子どもたちの表情が、明るく変化していくのがよくわかります。大きくなった自分を自分自身であらためて認識する……。この絵本は、そのための手助けをしてくれるのです。
できなかったことができるようになったり、色々なことが考えられるようになったり、ちょっと嫌だなあと思うことも我慢できるようになったりと、大きくなることが様々な形で語られますが、おひげをたくわえた園長先生が、園児に向かってお話する最後のひと言は、特に忘れられません。
おおきくなるっていうことは ちいさなひとに やさしくなれるってこと
「おおきくなるって、いいなあ。うれしいなあ。ただ身体だけが大きくなるんじゃなくて、心もそれに合わせて大きくなっていくんだよ。」そんなメッセージが、すうっと染み入るように子どもたちに届いていくと思います。子どもたちの成長に合わせて、ゆっくりと繰り返し読んであげたい絵本です。
【書籍DATA】
中川ひろたか:作 村上康成:絵
価格:1365円
出版社:童心社
推奨年齢:4歳くらいから
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