将棋/将棋上達のコツ

手軽で簡単な『将星会式・3列将棋』で強くなる(2ページ目)

なかなか上達しない人に、とっておきの練習方法がある。将棋盤のたった3列だけを使う『3列将棋』である。私が開いている湯の町別府の子ども将棋教室「将星会」で工夫を重ねて辿り着いたオリジナル・ルールを公開しよう。これで腕を磨いた子ども棋士が別府市小学生ナンバーワンとなった実績もある。さあ、がんばろう!私もがんばりたい。

有田 英樹

執筆者:有田 英樹

将棋ガイド


機動力をアップする

まず入門や初心の時は、「飛」や「角」(大駒)に頼る将棋をしてしまいがちだ。時として、この大駒達がうろうろするだけで、他の駒はぜんぜん活躍しないという対局が見られる。いや、舌の根の乾かぬうちに訂正しよう。時としてというより、それは頻繁にみられる対局例だ。

大駒はたしかに強力ではあるが、その他の小駒(「金」や「銀」など)が協力してこそ力を発揮できるのである。

機動力を鍛える

機動力を鍛える

例えば野球だって同じである。1、2番バッターの足を使った攻撃やエンドラン、または確実に送るバントがあってこそ、3、4番の大砲が生きてくる。将棋で言えば1、2番は小駒。クリーンアップは大駒である。

小駒しか使わない『将星会式3列将棋』は1、2番バッターの機動力をアップする部分練習であり、その中から特に「歩」の使い方がうまくなってくるのだ。

 


駒の連携がしっかりしてくる

「歩」が一人で進んでいっては、取られてしまうだけだ。初心の時期は「歩」の1枚や2枚取られたってたいしたことはないと思いがちでもある。しかし、北島三郎が歌ったように、「歩のない将棋は負け将棋」である。上達すればわかってくるが、「歩」はとても大切な駒なのだ。

 

連係プレーが大切

連係プレーが大切

この『将星会式3列将棋』は、元々「歩」が4枚しかない。2枚取られれば一気に半減である。もちろん、大苦戦を強いられてしまう。だから、次第に「歩」の価値を理解するようになり、「歩」に、「金」や「銀」という応援隊を送ろうという気になってくるのだ。

応援隊を送るということは駒を連携させることに他ならない。野球で言えば、チームプレー。駒同志がお互い声を掛け合う状況を作り上げることが肝要だ。さすれば、大幅な棋力アップが期待できるのだ。
 

二歩という反則が少なくなる

二歩で頭を抱える/イメージ

二歩で頭を抱える/イメージ

通常の将棋で二歩反則を犯してしまい、頭を抱えた経験をお持ちの方は多いであろう。かく言う私も常連だ。とほほ……。気を取り直して続けよう。

プロでさえ犯してしまう二歩。なくしたいという思いはすべての愛棋家の願いである。

この『将星会式3列将棋』は二歩を認めるルールだ。だから、通常の将棋では反則となる二歩が癖になってしまうのではないか、と危惧する方もいるだろう。しかし、逆なのである。二歩という反則は、盤上の駒をしっかり見ずに、ついうっかりやってしまうものなのだ。この将棋は常に「歩」を意識しているのである。だから、二歩をする場合は「二歩」と宣言しながら、をおすすめしているのである。繰り返すが、とにかく意識することが大切なのだ。

前述した別府市ナンバーワン小学生は、大会での七対局で、一度も二歩反則を犯していない。このことも、効果の証左になるだろう。打ち歩詰めも同様である。私もがんばりたい。

これからの展望

3列将棋大会を開きたい

3列将棋大会を開きたい

以上、『将星会式3列将棋』をガイドしてきた。手軽で効果的なこの将棋を、ぜひともお試しいただきたい。最初に述べたように、この将棋はルールが簡単であり、多くの人が楽しめるという魅力がある。

その様子を見ていると、単なる練習将棋にしておくのはもったいない気がする。そこで、私は、通常の将棋ではなく、この3列将棋をメインとした大会を開催しようと考えている。そんな中から、『将星会式3列将棋』はさらなる進化を遂げていくはずである。ルールの改善もあるだろう。どうか、お試しの皆さんもご意見ご感想をお寄せいただきたい。

今回もおつきあい、ありがとうございました。


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