天才ドライバーの運命を決める1976年に熱くなれ!
『ラッシュ/プライドと友情』(2013年度作品)ハント(左)とラウダ(右)天才レーサーの熱血バトル
相手を威嚇しながら「絶対にアイツには負けたくない」と思うハントとラウダの敵対心。ラウダはきっと「あんなチャラチャラしたいい加減なヤツに負けたくない」と思い、ハントは「地味なマシンオタクに負けるわけねえだろ」と思っていそうです。少年漫画にありそうな二人の関係はわかりやすく、大人の男なのに男の子のような純粋さを感じます。そんなライバル同士の熱いバトルを盛り上げるレースシーンの臨場感はかなりの迫力! つかの間サーキット体験ができますし、レースの裏側を垣間見られる喜びもあります。特にレースファンにとって1976年のハントとラウダのバトルは伝説だそうで、しかも年間チャンピオンが決まる最終レースは日本GP、富士スピードウェイ。これはたまらないでしょう。
コンピューターと言われるレーサーのラウダ
ロン・ハワード監督は実話の重みと映画としてのエンタティメントの融合を見事に成功させています。しかも決して涙を誘う友情物にしていないところもいい。ちなみにラウダは現役引退後、ラウダ航空という航空会社を設立して手堅く人生を歩んでいますが、ハントはずっと破天荒に生き続け、心臓発作で急逝してしまいました。享年45歳。二人のキャラクターがそのまま人生に反映されていますね。
この映画が完成したときラウダは「二人でビールを飲みながら、この映画を見たかった。自分たちはライバルだったけど、お互いをリスペクトしていたから」と語ったそうで、泣けます……。レースに生きた男を描いた『ラッシュ/プライドと友情』。命を懸けた仕事にはドラマがある! 男性はもちろん、女性も楽しめる作品です。
監督: ロン・ハワード
出演: クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール、オリヴィア・ワイルド、アレクサンドラ・マリア・ララ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、クリスチャン・マッケイほか
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※お次は、ボクシング漫画の名作を映画化した『あしたのジョー』