LUCE TOYO KITCHEN STYLE
写真1. LUCE TOYO KITCHEN STYLE 2階からの風景
オープンから1年半経ちましたが、展示点数は約100点に増え、国内最大となっており、たくさんのペンダントやシャンデリア、スタンドなどの実物を見ることが出来るようになっています。
おもな展示は1階にペンダント、2階にはシャンデリア、また地下フロアにはボジェック・シーペック(Borek Sipek)とハイセラミックブランドのボーサ(bosa)ショップを併設しています。
クリスタルの魔術師 ボジェック・シーペック
今回は鬼才ボジェック・シーペックの照明器具を紹介いたします。ボジェック・シーペック(1949年~)はもともと建築家としての実績が多かったのですが、後にインテリアや照明器具、ガラス工芸などにも興味をもち、仕事の対象を広げてきました。
前大統領のヴァーツラフ・ハヴェル氏にこよなく愛された彼は、プラハ城の改装責任者として務め、チェコのデザイン史に欠かせないアーティストの一人といえます。
なかでもガラスアートの分野では、ボヘミアンクリスタルブランドとして、世界各国のロイヤルファミリーをはじめ、有名ミュージシャンやファッションデザイナーに至るまで、鋭い感性もったスーパースターたちをも魅了する美しさを持っています。
彼が手掛けるボヘミアンクリスタルブランドはチェコのガラス工芸のテクニックを生かした、新鮮なものです。それは繊細でいて大胆なデザイン、重厚感を感じさせつつ、どこか脆く儚い(もろくはかない)印象で、相反する魅力を持ち合わせています。
写真2. ショールームB1Fに展示されているボジェック・シーベックのペンダント器具
ところで、ボヘミアンクリスタルはよくベニチュアガラスと比較されます。15~16世紀代において、ベニチュアガラスはソーダー石灰を使用したものに対し、ボヘミアンクリスタルはチェコ・ボヘミア地方の森林に原生するブナの木を燃やした灰からとれるカリを原料としています。
それによって水晶のような純粋で硬い、そして美しい光を放つガラスの製法が誕生しています。
後に宝石のカット技法が取り入られ、カットグラスが作られています。さらに彩色やゴールドの焼き付けなどの加工技術が加わると、美しい色彩や煌びやかな輝きが高級な気品を漂わせ、工芸品や照明器具などの制作に広がっていくのです。
このようなボヘミアンクリスタルの特徴を巧みに操ることで生まれたボジェック・シーペックの作品は興味深く、その中から代表的な照明器具を紹介します。
次のページでは「ボジェック・シーペックの照明器具」と「バレンタインフェア」をご紹介します。