猫の飼い方で気をつけたい、お留守番のさせ方
同居人が留守にしている間、猫はどんな風に過ごしているのでしょう。わたしがいなくて寂しがっていないかしら?と留守番している猫が気になる同居人=飼い主さん、大勢いらっしゃるのではないでしょうか。毎日決まった時間だけ同居人が留守になるのには慣れていても、長期間猫を家において留守にするときは、どのようなことに気を付ければよいでしょうか。今回は、猫を留守番させるときに気をつけてほしいことなどをアドバイスします。留守番中の猫はどうしてる?
同居人がいない間、猫が何をしているかというと、ほとんどの時間寝ています。昼間は陽が差し込む窓辺に行って遊んだりグルーミングしたり、昼寝をしたり、陽が落ちてくると食事したり水を飲んだり、トイレに行ったり、お気に入りの場所でまた寝る。そのうち本格的に「お腹がすいたなぁ」と感じる頃、同居人が帰宅するといった感じです。いつもより帰宅が遅くなったりすると、猫は何度か玄関口まで行って「まだ帰ってこない」と確認しますが、しばらくするとまた寝に行ってしまいます。遊び盛りの若猫は日に何度かパワーを発散するために、キャットツリーに駆け上ったりおもちゃを転がして走り回ったりしますが、高齢になると目が溶けないかしらと思うほどよく寝ます。半日?1日?何日までのお留守番なら大丈夫?
仲良しの2頭ならお留守番も平気
生後3ヶ月未満の子猫は食事回数が多かったり、事故に遭いやすかったりするので長時間のお留守番はおすすめできません。生後5ヶ月以上になると、生活リズムも安定してきます。仕事などで家を空ける時間帯が長い方は、ある程度大きくなった猫を飼うことをおすすめします。
毎日の留守番に慣れてしまっている猫はよいですが、家にいる時間が長かった同居人が急に忙しくなって留守にする時間が長くなったり、いきなり長期間家を空けてしまうと問題行動を起こす猫が増えます。粗相であったり、今までは見向きもしなかった物への執着、よそよそしくなって甘えに来ないなど。猫にとって同居人の行動も住み慣れた生活環境の一部なので、ひとりぼっちにされることで不安を覚えたり八つ当たりをすることが問題行動として現われるのです。もとの生活リズムに戻れば徐々に問題行動は治まってきますが、今後旅行などで家を空けたら同じ状態が繰り返される恐れがあります。
これを避けるためには、日頃同居人の在宅時間が長くても、あまり猫と深い依存関係を結ばないようすることです。たとえば、日に何度か数時間は猫と離れる時間帯を持って、お互いが自立できる関係を築くことをおすすめします。
1日以上お留守番させるときの注意 ご飯の量やトイレは?
ごはんはどうする?
1~2泊猫だけでお留守番させるときは、以下のことに注意してください。
■部屋
猫が行き来できる部屋が何部屋もある場合は、どこか1か所に猫が閉じこめられないように、ドアストッパーを付けましょう。猫が入ると危険な部屋、入って欲しくない部屋はカギをかけて出かけましょう。特に押し下げるレバーのドアの開閉は猫によっては、たやすく開けてしまいます。
部屋の中をキレイに片付けて、猫が口にしたら危なそうな小物は引き出しにしまって行きましょう。ひも状のものは飲み込むと危険なので注意してください。使わない電源はコンセントから抜いて片付けておきましょう。何かの拍子で上から落ちてきそうな物は落ちない工夫をしておきましょう。ゴミは蓋付きのゴミ箱に片付けましょう。特に生ゴミは注意です。
■食事
セットした時間になると蓋が開くタイマー付きのペット用食事ケースを利用すると便利でしょう。1泊のお留守番であれば、ドライフードを多めに置いて出かけるだけでも大丈夫です。缶詰や腐りやすい食事は置かないでドライフードだけにしましょう。
■飲み水
水は絶対に切らさないように、水入れの数を増やして出かけましょう。同じ場所に置くと、何かの拍子で両方の水がこぼれて飲めなくなってしまうかもしれません。水入れを置く場所は離して数カ所に用意してください。
■トイレ
いつもよりトイレの数をプラス1~2個増やします。トイレの場所が一部屋だと、なにかあって猫がその部屋に入れなくなったらトイレが使えなくなります。別の部屋・別の場所にも設置してください。
■帰宅したら
帰宅して手洗いが済んだら真っ先に猫に構ってあげてください。もしかしたら少し拗ねて同居人に近寄ってくれない猫がいるかもしれませんが、「ごめんね」と「寂しかったよ」という気持ちを伝えてください。少し奮発して美味しい食事とトイレを掃除して、猫のご機嫌を取りましょう。自分の身の回りの片づけはその後で。まずは猫とのスキンシップを優先させてください。
季節によっての注意点
猫は居心地の良い場所を見つける名人なので、家の中で猫が自由に行き来できるスペースがあれば、少々の寒暖は猫が自分で移動し解決します。ただしどの季節でも室内の換気ができていること、いつでも飲める水が用意されていること、清潔なトイレがあることは最低必要条件です。■春と秋
昼間はそこそこ気温が上がっても、朝晩寒暖の差が激しいことがあります。猫が暑くなったら涼める場所、寒くなったら潜り込める場所を用意しておいてください。
■夏
気密性の高い集合住宅、西日が差し込む部屋は非常に高温になります。猫が熱中症になってしまわないよう、陽が差し込む部屋はカーテンを閉める、部屋の中の空気が循環するように防犯上問題がない高窓を開ける、換気扇を回す、タイマーを利用して日中だけエアコンのドライ(除湿)モードで28度程度の設定にして出かけるなど、部屋がサウナ状態にならないよう注意してください。エアコンは部屋を冷やす目的ではなく、部屋の温度を上がりすぎないように使います。
扇風機は何かで猫がケガをするかもしれないので、出かけるときは必ず切ってください。どんなに防犯上問題がなくても、網戸だけだと猫が脱走してしまうかもしれないのでお勧めできません。
■冬
猫が寒いだろうと暖房をつけっぱなしにして火事になったら大ごとです。火を使う暖房はつけず、ホットカーペットや湯たんぽなど部分的に安全に暖めることができる工夫をしてください。よほど寒い家でなければ、毛布など猫が潜り込める場所を作っておくだけでも、猫は寒さをしのげます。こたつは電源を入れなくても猫が入ると自分の体温でそこそこ暖まることができます。段ボール箱に小さな丸い穴を開けて、その中にフリースや毛布を入れてあげると暖も取れますし、狭い場所を好む猫のお気に入りになるでしょう。
生きものを飼っているからといって好きな旅行を諦めたり、猫だけで留守番させることをそれほど深刻に悩む必要はありません。しかし、猫が頼りにできるのは同居人=飼い主だけです。留守中に猫が事故に遭ったり病気になったりすることがあるかもしれません。猫は留守番させても平気だからと過度に安心しないで、猫と一緒に暮らす責任と義務もよく考えてください。
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