社会の成績・点数を上げる方法……「社会は暗記科目」という思い込み
歴史上の人物を身近な友人、知人の顔と関連付けながら読み進めるのもおすすめです。
出題範囲が狭い学校のテストや塾の確認テストであれば、暗記で得点を稼ぐのが効率的です。でも実力テストや公開模擬試験では出題範囲が広く、暗記はかえって非効率な勉強法になってしまいます。暗記するのは最終手段。内容を「理解」してしまえば忘れることもなく、さまざまな角度からの出題にも答えることができるようになります。
歴史は通読を3回くりかえす
歴史分野は教科書の音読が効果を発揮します。縄文時代から現代まで数日かかってもいいので声に出しながら通読してみてください。1回目の音読では歴史の流れがなんとなくぼんやりと頭に入ったような、入っていないような感覚にすぎないはずです。それが2回目になると歴史の流れが急に頭に入ってくるようになります。歴史は物語です。ひとつの時代だけを細切れに勉強しても頭に入りません。それよりも教科書を通読することで物語の流れを味わうことです。それが歴史のなかで起きる個別の事件を理解をする土台になります。
3回目の音読は音読のスピードを緩めて読みましょう。読みながら歴史上の出来事を頭の中で映像化すると、理解が深まります。この方法は小説よりもその小説を原作とした映画を観るほうを好む子供に効果的な方法です。歴史上の人物を身近な友人、知人の顔と関連付けながら読み進めるのもおすすめです。クラスには藤原道長のように偉そうに威張っている人や、北条政子のようなリーダーシップを発揮している女子がひとりはいるのではないでしょうか。
過去の出来事と現在を結びつけてみる
歴史の年号は暗記物の代表格ですが、これもできるだけ暗記しない方が長い間記憶にとどまります。実際、テストや入試には事件の年号を一問一答式に答えさせる問題はめったに出ません。よく出題されるのは事件に関わる説明が書かれているいくつかの文章を、歴史の古い順に並びかえるというような問題です。正確な年号よりも事件前後のできごとや、時代のなかでの位置づけをおおざっぱにつかんでおくことのほうが成績アップに有効です。たとえば、第一次世界大戦開戦。ヨーロッパでの戦争なので、日本の危険は「低いよ(1914)」と語呂合わせで覚える方法が一般的です。でももっと効果的なのは現在と関連づけてみることです。「1914年といえば今からだいたい100年前か。そう考えると歴史の中では意外と最近だな……」というように、今と結びつけることです。
さらに、「では第二次世界大戦終戦は1945年だから今年は終戦70年か。それだと自分と同じ10代で戦争に出た人ならまだ今も生きている人もいるのだなあ……」というように思考を広げることもできます。
教科書に載っている歴史上の事件をテストに出そうだから仕方なく覚えるのではなく、時代背景や前後の事件との関連、現在との結びつきなどを考えながら「自分流」で理解していくことで、定着した知識となります。
地理は図、表、グラフを理解する
地理分野は歴史分野のように教科書をくり返し音読する必要はありません。教科書で注目するポイントは図、表、グラフです。テストでは「○○県の出荷全国1位の農作物は何か」というような問題はほとんど出ません。図、表、グラフが示されていて、そこから読み取れる都道府県の説明をしている文章の選択肢を選ばせるといったように複合的に作問されています。難しく思えるかもしれませんが、じつはそうでもありません。むしろ表やグラフの見方がわかり、示している意味を読み取ることができれば知識がなくても正解を答えることができるといったタイプの問題が今は主流です。教科書の図、表、グラフを注目し、どういったことを示しているかを教科書の説明と照らし合わせて確認をしていけば、読み取る力をつけるのには時間がかかりません。
さて、いかがでしたでしょうか。社会はできるだけ暗記しないで「理解」するというのが攻略のコツです。まずは教科書を開き、歴史であれば音読、地理であれば表とグラフに注目することから始めてみてくださいね。
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