労働・社会保険手続き業務とは?
社会保険労務士として開業した場合、最も基本的な業務として行うことになるのが「労働・社会保険手続き」と言えるでしょう。
労働・社会保険関係の手続や法定3帳簿(労働者名簿・出勤簿・賃金台帳)の作成は手間がかかり複雑なので、企業にとってその作業は負担です。特に自社では十分な専任スタッフを置くことができない中小企業や、起業後間もない経営者にとっては、その負担が大きくなります。
この労働・社会保険手続き業務を代行することは、社会保険労務士の独占業務であり、一部の例外を除き、原則として税理士や行政書士、その他の士業やコンサルタントが仕事として対価を得て請け負うことはできません。
労働・社会保険手続きの範囲とは
労働・社会保険手続きの範囲は広いのですが、具体的には労働保険(労災保険・雇用保険)及び社会保険(健康保険・厚生年金保険)の制度に基づいて要請される下記の業務があります。○従業員を採用したとき
・雇用保険の資格取得、社会保険の資格取得
○従業員が仕事中や通勤中に怪我や病気をしたとき
・労災保険の保険給付請求
○従業員が私傷病により休職するとき
・健康保険の保険給付請求
○従業員またはその家族が出産したり、育児・介護をするとき
・健康保険の保険給付請求、雇用保険の保険給付請求 など
○従業員の給与を昇給させたり、賞与を支払うとき
・社会保険の月額変更届、社会保険の賞与支払届
○従業員が退職したとき
・雇用保険の資格喪失、社会保険の資格喪失
○会社が新しく支店等を設立したとき
・労働保険の新規適用、社会保険の新規適用
○年次業務として要請されるもの
・労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届
これらは代表的な手続き例で、他にも労働・社会保険手続きが求められるケースはまだまだあります。このため、労働・社会保険の制度や手続きの実務に詳しくなければ、必要な手続きを漏らしてしまったり、誤ってしまうことがあります。
社会保険労務士は、労働・社会保険制度のエキスパートとして、手続を素早く正確に代行することで、企業の経営効率を高めることに貢献することができます。