受験に迷う親が理解したい! 私立中学受験のメリットと厳しい現実
中学受験を本当にするか・しないか迷う親が正しく知っておきたい、私立中学入学のメリットと落とし穴
私立中学受験には大きなメリットがある反面、意外と知られていない落とし穴もあります。私立中学受験と入学するメリット、注意点、合格するための条件をお伝えします。
私立中学受験のメリット1. 各校にある「建学の精神」と「教育理念」
学校ごとに明確な「建学の精神」と独自の「教育理念」があります。それが校風となり、学校のカラーとなっています。説明会や学校見学に行くことで、肌に合いそうな学校とそうでない学校とにわりとはっきり分かれるはずです。子どもに合った校風の学校を選択することができます。
私立中学受験のメリット2. 効率の良い中高一貫カリキュラム
私立校は、公立校のように文科省の指導要領の制約を受けません。したがって、効率の良い中高一貫カリキュラムを組むことができます。多くの私立校では中高6年間で学ぶ内容を5年間で先取り学習をし、残りの1年間は大学入試問題の演習などに専念することができるカリキュラムになっています。
私立中学受験のメリット3. 東京大学の文1や理3の入学に有利
東京大学の文1や理3をめざすなら、私立難関校への入学が有利です。
私立中学受験に向く子や家庭のタイプ
知識を広げる( 深める)ことに喜びを感じられる子どもでないと、親や塾の講師がいくら働きかけても、受験勉強の「やる気」が長続きしません。また、負けず嫌いの性格の子どもの方が中学受験に向いています。また、思考や作業のスピード感があることも中学受験には重要です。ただ、小学生段階では子どもの成長度合いによって差が大きいのが事実です。
中学受験は、精神的に成長している早熟タイプが圧倒的に有利です。たとえば国語の入試では、抽象度の高い論説文や「笑顔の裏に隠された悲しみ」、「異性にわざとそっけない態度を取った心情」などを読み取らせるといったような小説文が出されます。他教科でも論理的な思考力が求められる問題が多く、精神的に受験適齢に成長していない子どもは解法テクニックをいくら学んでも解き切れません。
中学受験は高校受験や大学受験と違って「受験する人の方が少ない」という特殊な受験です。受験をする子ども本人はもちろん、家族も塾の送り迎えからお弁当の用意(ときには2食分ということも)、塾主催の説明会や面談、中学校見学などに積極的に関わる必要が出てきます。また精神的なサポートや経済力があることも条件です。
知っておきたい! 私立中学受験の現実
- 学校の勉強とはまったく違うレベルの難しい内容が問われる
難関の私立中学受験では、小学校で勉強している内容とはまったく別と言っていいくらい難しい内容が出されます。学校のテストは習った内容を身につけているかを「確認」するためのものですが、私立中学入試問題は「選抜」するための問題です。学校の指導要領を大幅に逸脱する内容が入試で問われるのは、中高大の入試の中で中学受験だけです。学校のテストで満点を取り続ける子どもでも、中学受験模試では0点近いということも。
- 勉強嫌いになったり、勉強ができないと思いこんだりすることも
中学受験の内容はレベルは高く、たとえば理科と社会は中学校よりも「広く、深い」内容になっています。子どもによっては「自分は勉強ができない」と思いこんでしまったり、親からの「勉強しなさい」という言葉が勉強アレルギーを引き起こしてしまったりすることもあります。また、中学受験終了と同時に燃え尽きてしまうのもよくあることです。
私立中学の受験倍率は多くの学校が3倍以上で、10倍を超える学校も珍しくありません。新4年生の1学期、つまり小学3年生の2月からほぼ毎日塾に通って総額200万円以上の学費を払って受験に臨んでも、「3人に1人しか第1志望校に入れない」と言われています。中学受験は年齢的なものからくる精神的な脆さから「まさか」の不合格も多く、不確定要素も大きいのです。
さて、いかがでしたでしょうか。私立中学受験は特殊な受験です。お子さまの適性を考えて、慎重に判断してください。
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