簡単にコンパクトな本棚をDIYで作りました
本棚と聞いて、まず思い浮かべるイメージはどんなものでしょうか? 学生時代に授業で作ったデスクに載せる小さな本棚、床から天井までぎっしりと本が詰まったもの、マンガのコレクションの棚、図書館や書店の大きなシェルフ……、など人によって思い浮かぶ本棚の印象は違うと思います。今回は、一人暮らしでも使える比較的高さが低く脚を付けたブックシェルフを作ってみました。ホームセンターのベンチに座って描いたスケッチ。最初は迷いながら適当な絵を描いて、アイデアと寸法をメモしていきます。小さな定規があるとスケールの確認ができます。そして、サイズ確認のためにメジャー(巻尺)は必携です。
今回のイメージは、1:一人暮らしでも使える小ぶりなもの、2:脚付きで床から持ち上がった状態で部屋を広く見せる、3:高さをおさえる、3:サイドテーブルとしても使える、4:安い木材を使う、といった漠然としたものでした。まずは、材料を探しにホームセンターに行って形を考えようと思いました。ホームセンターを利用される方はご存知のように、店に行くと「SPF」と書かれた白っぽい木材が安く売られています。これは「2×4(ツーバイフォー)工法」と呼ばれる建物を作るための構造材です。近年、この材料を使ったDIYが多く行われています。そこで、さまざまなSPF材を使って本棚を作ることに決めました。
ホームセンターでカットしてもらったSPF材。左が2×4、右が2×6材です。カット代はホームセンターによりますが、1カット20円から80円くらいのところが多いようです。材料代は全部で2000円くらいですみました。
ホームセンターで木材を見て回り、2×4(ツーバイフォー)材の安さに目を奪われました。2×4材は2インチ×4インチという意味です。材は「SPF」と呼ばれるもので北米で木造建築の構造材として流通している針葉樹の木材です。北米のものが多いですが、2×4材は北欧のホワイトウッドという木材が使われていることもあります。このSPFというマツ系の針葉樹を使うことにしました。2×4材、2×6(38ミリ×140ミリ)の1.8メートル材を、それぞれ2本買って、ホームセンターで希望の寸法にカットしてもらいました。
超強力接着剤で板材に
もって帰ってきた材料は接着剤で、はぎ合わせて板材にすることにします。木工家の人たちはハタガネという装置を使いますが、ここは簡易なクランプで固定しました。そこで、木工用ボンド、通称「白ボンド」で接合することを考えましたが、アメリカ土産にもらった「世界一強力な接着材」を思い出しました。これは強力なポリウレタン接着剤で日本では手に入らないものでしたが、検索したら最近は日本でも手に入るようです。 アメリカの人はハタガネも使わずにガムテープを巻いて固定するそう。プロではないDIYでは、そうした大胆でイージーなノリは大事だと思います。
張り合わせて板ができ上がった
60分間、クランプで留めて放置していた木材が板になって完成しました。それにしても発泡ウレタン接着剤の結合力はスゴイ!! それぞれが1枚の板のようになっています。2×4材は角に面が取ってある(やや、アールがついている)ので、張り合わせた部分に溝ができていますが気にしません。なにしろラクチンに作る「ファスト・インテリア」「ファスト・DIY」なのですから。どちらも私の造語ですが……。
板を組み合わて仮組み
それぞれの天板(2×6材が2枚)、側板(2×4材が3枚)でできた板を積み木のように立てて仮組みしてみます。材の断面の厚さが4センチ程度あって断面積が大きいので箱状に立ちあがります。ちょっとだけ、イメージが具体化してきました。
いよいよ接合を開始します。本格的な木工なら、ノミなどを使って仕口(しぐち)継手やダボなどによる結合といった伝統的で強度もあって見た目も美しい接合部にするところです。ですが、ここは「ファスト・DIY」ですから、さきほど紹介したゴリラマークの強力接着剤で、ガスガスとスピーディーに貼りつけていくのです。
底となる板に側板と中板を貼り付けます。例の強力接着剤は、くっつける両方を霧吹きなどを使って水で軽く湿らせて板の中央に一筋だけ塗りました。このポリウレタン接着剤は水と反応して約3倍に膨れ上がって、木の繊維に入り込み結合させるので少量でいいようです。「なにしてるの?」と猫がDIY見物にやってきました。手伝いたいのでしょうか?