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「砂の王者」を決める戦い! 2月の注目レース(2ページ目)

2月はG1レースが行われる月であり、また、未来のスターたちが登場する時。ということで、『フェブラリーステークス』『きさらぎ賞』『共同通信杯』など、2月の注目レースを紹介します。(※レースの情報は、すべて2014年1月末時点のものです)

河合 力

執筆者:河合 力

競馬ガイド

その先に見えるのは日本ダービー
名馬たちの登竜門である2レース

kyoudou2012

2012年の共同通信杯は、後に皐月賞と菊花賞を制するゴールドシップが1着。2着は日本ダービーを制するディープブリランテだった(写真 JRA)

競走馬のデビューは2歳以降。ただし2歳から3歳の春過ぎまではまだまだ幼く、人間でいう中学・高校生。「古馬(こば)」と呼ばれる4歳以上のオトナ馬たちとは基本的に戦わず、同年齢だけでレースを行います。(ちなみに先ほどのフェブラリーステークスは、4歳以上の馬たちのレースです)

多くの馬は2歳にデビューし、年が明けて3歳になると、以下三つのG1レースを大目標に据えます。

4月:皐月賞(芝2000m、中山競馬場)
5月下旬~6月上旬:日本ダービー(芝2400m、東京競馬場)
10月:菊花賞(芝3000m、京都競馬場)

3歳馬だけが出られるこの3レースは、競馬における「三冠」、「クラシック」と呼ばれます。なお、牡馬(オス)より能力で劣りがちな牝馬(メス)は、牡馬の三冠レースに出ることも可能ですが、多くは以下の牝馬限定レースを目指します。こちらもすべてG1で、「牝馬三冠」と呼ばれます。

4月:桜花賞(芝1600m、阪神競馬場)
5月:オークス(芝2400m、東京競馬場)
10月:秋華賞(芝2000m、京都競馬場)

これらのレースを目指す上で、まず重要になるのが出走権の確保。日本の競馬は、1レースで最大でも18頭までしか出走できません。ですから、皐月賞や日本ダービーを目指す上で、まずその出走権を確保する必要があります。

出走権を得る方法はいくつかありますが、その一つが、ざっくりいえばレースに勝って賞金を積むこと。日本の競馬では、基本的に今まで稼いだ優勝賞金をもとに出走馬が決まります。特にG1~G3までの“重賞レース”は賞金が高く、また2着に敗れても、出走権の基準となる賞金は加算されるため、きわめて重要。それを踏まえてポイントになるレースが、2月に行われる以下の3歳限定戦です。

G3きさらぎ賞(芝1800m、京都競馬場)
G3共同通信杯(芝1800m、東京競馬場)


どちらもG3であるこの2レースは、人呼んで「名馬への登竜門」。きさらぎ賞はスペシャルウィーク(1998年)やネオユニヴァース(2003年)、共同通信杯はナリタブライアン(1994年)やジャングルポケット(2001年)など、後にダービーを制する馬たちが勝利してきた舞台です。
 

このレースで重要なのは、勝利だけではない

私たち競馬ファンは、この時期になると、「今年の三冠レースで主役になる3歳馬はどれだろう」と、そればかり考えています。そしてその話題に挙がるような、未来のスター候補たちが激突するのが先の2レース。いわばここで、その馬たちの本当の実力が見えてきます。

ただし、2月時点の3歳馬はまだ幼く、レースも数回しか経験していない状態。勝って賞金を得たいのは山々ですが、同時に、馬にレースを教えたり、あるいは悪い部分を直したりしなければなりません。あくまで最大目標は日本ダービーですから。

たとえば2011年のきさらぎ賞。このレースには、のちにG1を6勝したオルフェーヴルが出走。しかし、3着に敗れています。

2011年きさらぎ賞のレース成績(オルフェーヴルはオレンジ帽の10番)
※右上の「HIGH」、「LOW」ボタンでレース映像が見られます。

このころのオルフェーヴルは、まさに荒くれ者の全盛期。「レースでは俺の好きにさせてくれ」と、隙あらば暴走を試みる問題児でした。だからこそ陣営は、直線まではとにかくガマンしてゆっくり走り、レース終盤で全能力を爆発させる競馬を教え込みます。オルフェーヴルにとっては、まさに「修行」。2011年のきさらぎ賞は、その真っ最中でした。

オルフェーヴル陣営にとっての最大のテーマは、とにかく直線までガマンしてゆっくり走ること。きさらぎ賞の勝ちにこだわる以上に、それをきちんと教える必要がありました。その結果、ここでは追い上げるタイミングが遅くなり、前を行くライバルを捕まえきれず3着に敗退。しかし、次のレースからはその修行が身を結んで暴走グセが軽減。以降、三冠レースをすべて制し、フランスのG1凱旋門賞(芝2400m、ロンシャン競馬場)でも2年連続2着するほどの活躍を見せました。

オルフェーヴルのように課題解決に取り組むケースもあれば、逆に「課題が表面化」してくるのもこの時期。特にきさらぎ賞や共同通信杯では、生まれて初めてトップレベルの馬と戦うことも多いので、そこで思わぬクセが露呈する馬もいます。それらを見るのも醍醐味と言えるでしょう。

なお、きさらぎ賞と共同通信杯は3歳の牡馬が中心(牝馬も出られますが)。一方、牝馬では同じくG3のクイーンカップ(芝1600m、東京競馬場)などが行われ、こちらも三冠に向けた戦いが本格化していきます。

これ以外では、4歳以上(古馬)の芝レースも要注目。競馬では超長距離にあたる3000m以上の戦い、G3ダイヤモンドステークス(芝3400m、東京競馬場)や、真逆の短距離戦であるG3シルクロードステークス(芝1200m、京都競馬場)など、バラエティに富んだ構成。いずれも、春に行われるG1天皇賞・春(芝3200m、京都競馬場)や、G1高松宮記念(芝1200m、中京競馬場)に向けたレースとなっています。

※レースの情報は、すべて2014年1月末時点のものです。

(リンク)
2月のレーシングカレンダー|JRAウェブサイト
フェブラリーステークス歴代勝ち馬|JRAウェブサイト|データファイル
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