大倉山
ギリシャ風の街並み、梅林が名物
白い外壁に彫りのある柱などがギリシャ風ということらしいエルム商店街(クリックで拡大)
瀟洒な雰囲気の西側とは異なり、綱島街道を中心に東側には横浜市港北区役所、同公会堂、図書館、警察署などがある区政の中心地。通り沿いには大型物販店やファミリーレストランなどが集まっています。さらに離れた綱島街道以遠エリアは港北区でも自然が豊富なエリア。綱島街道から少し入った高台には関東地方の熊野信仰の根拠地として知られる師岡熊野神社があり、そのすぐ近くには熊野神社市民の森、鹿ケ谷市民の森などがあり、鬱蒼たる緑が印象的。とても横浜市内とは思えません。
商店街のイメージが強いからでしょうか、女性に人気の街で、急行が止まらない駅だというのに、急行停車駅の菊名、日吉に遜色ない住宅価格、賃料がその証左。効率よりも、雰囲気、のんびりした暮らしを望む人にはおすすめというわけです。
大倉山、ギリシャ風商店街に自然豊富な住宅街
菊名
桜の名所、坂道の多い谷の街
駅周辺、線路沿いだけが底になっている以外は丘の街である菊名。東急東横線、横浜線が交差し、東海道新幹線の新横浜への最寄り駅として乗降客数も多いものの、駅前のコンパクトさにはびっくりするほど。特に東口側は駅のすぐ前を綱島街道が走っており、バス停で待つことすらできにくい状況です。
その一方で丘の上にある住宅地では眺望、日当たりが良く、住環境としては抜群。特に錦が丘と呼ばれる高台の住宅地には見事な桜並木があり、このエリアではお屋敷街としても有名です。桜ではもうひとつ、かつての企業跡地だった公園、菊名桜山公園が八重桜の名所として知られています。また、丘の斜面を利用した農地も多く残されており、地元産の野菜を直売所で買い求めるといった、地産地消な暮らしができます。
ただ、残念なのは東急東横線と東京メトロ日比谷線の乗り入れが解消されたため、都心へのアクセスがいささか悪くなったという点。中目黒で乗り換えれば良いわけですが、乗り換え不要だった時代に比べると不利になった点は否めません。
菊名の記事はこちら。
菊名、東横線、横浜線が交わる坂と桜の街
妙蓮寺
コンパクトな商店街とお寺の街
菊名同様、谷間にある駅、妙蓮寺。駅名の由来は駅東側にある妙蓮寺から取ったもので、寺の敷地内を東横線が通ることになったため、寺が敷地を提供、東急が駅を作ったという事情によるのだとか。そのため、商店街は西側に集中しています。
西側、線路沿いには南北に細長い菊名池公園があり、南側には夏には子どもたちで賑わうプールも。池にはカワセミが飛来するそうで、それを狙う写真好きには知られた場所だとも聞きました。
下町っぽい雰囲気の商店街には、おでん種屋さんや昔ながらの団子屋さんとでも呼びたいような和菓子屋さんなどに混じってしゃれたパン屋さんもあり、幅広いニーズに応えてくれそうです。
白楽
昭和な商店街と賃料の安さが魅力
レトロな雰囲気のアーケードのある六角橋仲見世商店街と高台にそびえる神奈川大学で知られる街、白楽。昭和30年代を舞台にしたテレビや映画などの舞台として使われたこともある仲見世商店街は意外に個性的な店も多く、ぶらぶら歩きが楽しい空間。夜のフリマやライブなどのイベントも行われており、古いだけじゃないところが特徴です。仲見世商店街のみならず、周辺にも民家を改装した個性派飲食店、セレクトショップが点在しており、変わりつつある印象を受けます。
学校としては前述の神奈川大学のほか、お隣東白楽には神奈川県立神奈川総合高校、同神奈川工業高校があり、白楽駅の北側には清心女子高等学校も。道行く人に若い年代が多いわけです。
学生が多い街だけあって、賃貸の手頃さは沿線中一二を争うほど。反面、新築マンションは少なく、分譲で買うなら一戸建てが多少あるかなという程度です。街全体としても大きな建物は少なく、こじんまりした印象がある、そんな街です。
白楽の記事はこちら。
白楽、商店街と大学と坂の多い住宅街
東白楽
駅裏手からすぐに住宅街
駅前を神奈川県道横浜上麻生線が通る東白楽駅。そのため、通りを挟んで前述の神奈川総合高校、堂神奈川工業高校があるくらいで、国道一号線辺まで数分歩けば大型スーパーはあるものの、特に商店街らしい場所もなく、なんとも拍子抜けな印象があります。また、通りから少し入るとすぐに住宅街で、通り沿い以外は一戸建て、小規模な賃貸物件などが主流です。
東白楽から反町にかけては東横線が地下化されており、その上は東横フラワー緑道という遊歩道になっています。のんびりした雰囲気で横浜がお買い物スポットと考えれば、住みやすい場所なのかもしれません。
反町
神奈川区行政の中心地
駅前を国道一号線が走る反町駅。通りの両側にそれほど数は多くはないものの商店が続き、神奈川区役所など区の行政機関が集まってもいます。区役所の隣には反町公園、神奈川スケートリンクがあり、第二京浜沿いとは思えないほど。周辺はそれほど大きくない、比較的古いマンションの多いエリアです。
東白楽、反町とも横浜至近にありながら、このところ、多くの人の目がみなとみらいや湾岸に向いていたためか、大きな開発はされていないようで、のどかな雰囲気、古い建物が点在しているのが独特。横浜駅に歩いて通える、でも、静かな場所に住みたいという人には狙い目かもしれません。
横浜
最多路線が乗り入れる神奈川の一大ターミナル
東海道線、横浜線、横須賀線その他のJR東日本、東急東横線、京浜急行線、相模鉄道線、横浜市営地下鉄、みなとみらい線と6社局と日本最多の路線が乗り入れる一大ターミナル横浜。駅周辺では1915年の開業以来、常にどこかで工事が行われている状況で、現在も西口エリアで駅ビルの本格的な建替えを前にした暫定工事が進行中です。
駅近くに大規模な商業施設が集まっているのはもちろん、ここ何年かでみなとみらい地区の人口が増えたこともあり、駅周辺は以前より賑わっている印象があります。なんでも揃う便利さは言うまでもありません。
ただ、住宅という意味で見ると駅に近い場所は住環境としては微妙。男性であれば気にならないかもしれませんが、音、日当たりなどの面では多少マイナスも多いようです。ただ、賃料自体は都内ほどは高くありません。買うのであれば、新築はここのところ、あまり出ていないので中古がメイン。ポートランド地区あるいはみなとみらい地区のタワーの億ションから、1000万円以下の古くてコンパクトなワンルームまでバリエーションは豊富です。
ひとつ、注意していただきたいのは、横浜は人気の街ランキングでもよく取り上げられている街のひとつですが、その場合の横浜は横浜駅周辺というわけではなく、横浜市全体をイメージしてという人が多いこと。中心部だけでも広い横浜です、イメージだけで横浜といっても街の雰囲気は場所によって異なります。どういった理由で横浜に住みたいか、その辺を明確にしないと、自分に合った場所は探せない、そう思ってください。以下の関連記事は比較的横浜駅に近いエリアのみを取り上げています。
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最後に東急東横線のこれからについて。大きな変化がありそうです。
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