魅力たっぷりの冬の江ノ島
冬は、観光オフシーズンと思われがちですが、冬こそ江ノ島がおすすめ。ライトアップイベント『湘南の宝石』(2019年11月28日撮影)
冬の江ノ島では、「江の島シーキャンドル(展望灯台)」のライトアップをはじめ様々なイベントが行われています。また、海の向こうに富士山の姿をはっきりと見ることができるなど、雄大な景色を楽しむことができるのも、この季節ならでは。
今回は、江ノ島の主な観光スポットを歩きながら、冬の江ノ島の見所を案内します。
江ノ島って、どんなところ?
古くからの信仰の場としての歴史を持つ江ノ島は、物見湯山の盛んになった江戸時代中期以降、「江ノ島の弁天様」目当ての人々がたくさん訪れる、人気の観光地になりました。江戸時代・明治時代からの歴史を持つ老舗の温泉旅館や土産物屋もあり、観光地としての風格を感じます。冠雪した富士山と江ノ島。雄大な景色が楽しめるのも、冬ならでは
一方、2003年には、江ノ島のメイン観光スポットのひとつである「江の島シーキャンドル(展望灯台)」がリニューアルオープン。2004年には、湘南の海を眺めながら浸かることができる露天風呂やカフェ・レストランなどの設備も充実した「江の島アイランドスパ(えのすぱ)」がオープンするなど、新しい観光スポットも誕生。
歴史あるものと新しいもの、両方を楽しむことができるのも、江ノ島の魅力です。
江ノ島駅から、いざ、出発!
今回の散歩のスタートは、江ノ電の「江ノ島」駅。江の島は海に囲まれ温暖とはいえ、真冬の風は冷たいので、スズメさんたちを見習ってマフラーや手袋などで、温かくして出かけましょう!
「江ノ島」駅の改札を出て、すぐに目に入るのが、車止めポールの上の毛糸の服を着たスズメさんたち。もちろん、本物のスズメではありませんが、温かそうですね。以前、「江ノ島」駅の売店に勤めていた女性が編みはじめたのだそうです。今では、「江ノ島」駅の冬の風物詩になっています。
さて、駅から左に商店街の中を歩き、300メートルほど先の地下道をくぐると、もう目の前に江ノ島が見えます。ここから、「江ノ島弁天橋」を渡って、江ノ島島内に向かいます。
江ノ島弁天橋から眺めた富士山
「江ノ島弁天橋」の上からは、雄大な富士山の姿が見えますよ!
まずは、弁天様に会いに行きましょう!
「江ノ島弁天橋」を渡りきると、いよいよ江ノ島の島内。サザエのつぼ焼きやイカを焼く香りもしてきて、観光地・江ノ島だなーと思います。青銅の鳥居と軒を連ねる土産物屋
正面に青銅の鳥居が見えますので、鳥居をくぐり、土産物屋さんの間を歩いて行きます。お饅頭や海産物など、様々な物が売られていますが、最近は、タコを2~3匹、丸ごとプレスして焼いた「丸焼きたこせんべい」なんていうのが、人気があるようです。
食べ歩きに人気の江ノ島名物「丸焼きたこせんべい」
さて、この先は江ノ島の頂上まで、階段が続きます。
「階段は、ちょっとシンドイなー」という人、ご安心ください。江ノ島には、「エスカー」というエスカレーターが整備されているので、頂上まで楽チンに登っていくことができます。
エスカー乗り場
エスカーを利用される方は、『江の島1dayパスポート eno=pass』を購入すると、とても便利でおトク。このパスを購入すると、エスカーと江ノ島島内の人気スポットが、一日何回でも出入り自由になります。
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■江の島 エスカー
施設情報・料金等
今回はエスカーは使わず、がんばって階段を登っていくことにします。
「瑞心門(ずいしんもん)」という竜宮城をイメージした門をくぐり、階段を登っていくと、まず到着するのが江島神社(えのしまじんじゃ)の辺津宮(へつのみや)。
江島神社は、島の入口近くの辺津宮、島の中程の中津宮(なかつのみや)、島の西奥の奥津宮(おくつのみや)の三社からなっており、3人姉妹の女神様をおまつりしています。
辺津宮をお参りして、左の方に目を向けると、六角のお堂があります。このお堂が、「江ノ島の弁天様」がおまつりされている「奉安殿」。
お堂の中には、源頼朝が寄進した『八臂(はっぴ)弁財天』と、"裸弁天"の別名で知られる、ちょっとセクシーな『妙音弁財天』が並んで安置されています。このうち、やはり人気があるのは、『妙音弁財天』のようですね。
妙音弁財天 写真提供:藤沢市観光協会
この弁天様、実は独身ではなく、旦那さんがいるんですよ! 弁天様と夫婦の関係にあるのは、西鎌倉の「龍口明神社」におまつりされている5つの頭を持つ五頭龍(ごずりゅう)。江ノ島の弁天様と五頭龍の恋物語は、江島神社ホームページで、かわいらしい漫画で紹介されています。ぜひチェックしてみてください。
江島神社ホームページ: 『五頭龍と天女様 -江島縁起より-』
中津宮から江ノ島の頂上へ
「みどりの広場」からのヨットハーバーの眺望
辺津宮から、向かって左のほうへ進み、次は中津宮を目指します。途中、ボードウォークの整備された見晴らしの良い「みどりの広場」があります。花が植えられていて、時々、ネコも昼寝をしているこの場所からは、江ノ島のヨットハーバーを一望することができます。
江ノ島はネコも多いことで知られる
さらに階段を登ると中津宮に到着。境内には、江戸時代の歌舞伎役者が奉納した石灯籠や、現代の歌舞伎役者、尾上菊五郎・菊之助親子の手形などがあります。
中津宮の朱色の社殿
ここにくると、江ノ島の弁天様が、昔から芸能関係者の厚い信仰を集めてきたことがよく分かります。
中津宮から、また少し階段を登ると、「江の島 サムエル・コッキング苑」と「江の島 シーキャンドル(展望灯台)」のある江ノ島の頂上に到着!
江の島 サムエル・コッキング苑とシーキャンドル(展望灯台)
「江の島 サムエル・コッキング苑」は、以前は「江の島植物園」として、親しまれていました。2003年の展望灯台リニューアルにあわせて、明治時代に、この地にはじめて植物園を造ったイギリス人貿易商、サムエル・コッキングの名前を冠して、新たな施設を整備するなどしてリニューアルオープンしました。江の島ウィンターチューリップ
苑内では、毎年12月下旬から1月下旬にかけて、約2万本のチューリップが花を咲かせます(江の島ウィンターチューリップ)。球根を冷蔵保存し、春の到来を錯覚させて花を咲かせるのだそうです。
そして、冬の江ノ島を彩るビッグイベントといえば、関東三大イルミネーションの一つにも認定され、「江の島 シーキャンドル(展望灯台)」などを彩るライトアップイベント『湘南の宝石』。まずは、写真をご覧ください。
クリスタルをふんだんに使用した「湘南シャンデリア」(2019年11月28日撮影)
光の中をお散歩(2019年11月28日撮影)
シーキャンドルを中心に広がる「光の大空間」(2019年11月28日撮影)
クリスタルをふんだんに使用した「湘南シャンデリア」のトンネルを抜けると、そこに広がるのは、シーキャンドルを中心に広がる「光の大空間」。まるで、幻想的な夢の世界に迷い込んだようです。
ライトアップイベント『湘南の宝石』2019-2020年は、2019年11月23日(土・祝)~2020年2月16日(日)までの日程で開催です。
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■江の島シーキャンドル(展望灯台)
住所:藤沢市江の島2-3
アクセス:江ノ島電鉄江ノ島駅より徒歩約25分
ホームページ → 『湘南の宝石』2019~2020年
地図 → 江の島シーキャンドル地図
なお、「江の島 サムエル・コッキング苑」には、犬を連れて入れるの?という質問を受けますが、ケージに入れていれば入場可能です。
奥津宮のあたりでランチ休憩
「江の島 サムエル・コッキング苑」を出たら、さらに、江ノ島の奥のほうに向かって歩いていきます。途中、「山ふたつ」という場所があり、ここから先が島の西側。「恋人の丘」に設置された「龍恋の鐘」 写真提供:藤沢市観光協会
「山ふたつ」の先には、五頭龍と天女の恋物語にちなんだ「恋人の丘」があります。「恋人の丘」に設置された「龍恋の鐘」をならした二人は、決して別れることがないのだとか。
いよいよ江ノ島の一番奥、奥津宮まで来ました。奥津宮のお参りをすませたら、ランチ休憩にしましょう。
魚見亭テラス席からの海の眺め
このあたりには、磯料理を食べさせるお店が何軒もありますが、私のおすすめは、奥津宮の先にある「魚見亭」というお店。このお店のすごいところは、テラス席からの海の眺め。遙かに水平線まで見渡すことができます!
江ノ島丼とカニの味噌汁セット 1300円
江ノ島に来たら食べたいのが、刻んだサザエを甘めの出汁で煮て卵でとじた「江ノ島丼」。この景色を眺めながら、「江ノ島丼」を頬張るのは、なんともいえない贅沢。
江ノ島で、「江ノ島丼」と並ぶ名物といえば「シラス丼」ですが、1月~3月はシラスの禁漁期間。生シラスのかわりに釜揚げシラスになるため、冬は「江ノ島丼」がおすすめです。
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■魚見亭
住所:藤沢市江の島2-5-7
TEL:0466-22-4456
営業時間:10:00~日没後30分(季節により変動あり)
定休日:なし
アクセス:江ノ電江ノ島駅より徒歩約35分(記事に記載した順路を歩いた場合)
瑞心門の手前から直接島の西側に向かう近道を通れば、約20分
地図 → 魚見亭地図
景勝「稚児ヶ淵」から眺める富士山
さて、お腹がいっぱいになったところで、散歩を続けましょう。「魚見亭」から、階段を海辺に向かって下りていきます。少し長めの階段を下りると、海蝕(かいしょく)台地と呼ばれるデコボコの岩場が広がっています。ここは、「稚児ヶ淵(ちごがふち)」といい、「かながわの景勝50選」にも選ばれている絶景ポイント。
稚児ヶ淵からの眺め
稚児ヶ淵で釣りを楽しむ人々 写真提供:藤沢市観光協会
「稚児ヶ淵」からは、海の向こうに冠雪した富士山や、茅ヶ崎沖の海に浮かぶ「烏帽子岩(えぼしいわ)」も見えます。これは本当に、空気の澄んだ冬にしか見ることができない雄大な景色です。
「稚児ヶ淵」から、さらに先の方に進むと、「江の島岩屋(いわや)」と呼ばれる洞穴があって、ミニ洞窟探検を楽しむことができます。
「江の島岩屋」では、『湘南の宝石』の実施期間中、昼間、2つの岩屋のうち第二岩屋でライトアップが行われています。(岩屋の入口で500円の入洞料を払うと、第一岩屋は通常の拝観、第二岩屋でライトアップが見られます。9:00~17:00)
さて、帰りは「べんてん丸」というミニ遊覧船に乗船すると、とても便利! わずか10分ほどで陸側に戻ることができます。
べんてん丸 写真提供:藤沢市観光協会
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■遊覧船 べんてん丸
航路:江の島弁天橋-稚児ヶ淵(どちらからも乗船可能)
所要時間:約10分
運賃:片道 大人(中学生以上)400円 小人(6歳以上)200円 未就学児無料
運航:不定期運航(人数が集まったら出発する。風の強い日などは欠航するので、運航状況は、当日、下記へお問い合わせください)
運航状況の問い合わせ先
藤沢市観光センター:0466-22-4141
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