2013年5月よりも下落率は軽微
2013年末の日本株市場は、2014年に希望を抱かせるように年末高で終了しました。ファンダメンタルズは良好、2014年から本格的にNISAが始まる等々、株価が下落して始まる、まして1月の急落などを予想していた人は、専門家ですらほとんどいなかったはずです。前のめりになっていた投資家に冷や水を浴びせかけてしまい、すっかり萎縮した投資姿勢に変わった方もいるかと思います。しかし、冷静に過去を振り返ってみれば、今回の急落は2013年5月の急落よりも下落幅、下落率ともに軽微であったと思われてなりません。
明確に底を打ったと言えるかは分かりませんが、2月4日の日経平均株価の終値1万4008円47銭終値(ザラ場ベースは2月5日の1万3995円86銭)で目先は底を入れた感があります。TOPIX(東証株価指数)も2月4日の終値1139.27ポイント(ザラ場も同値)で底を入れたかも知れません。
2月4日で底を打ったと仮定して、今回の下落を2013年5月の急落と終値ベースで比較すると、下落幅は昨年5月が3181.88円、今回の下落幅は2282円84銭。下落率は昨年5月が20.36%、今回は同14.01%と昨年5月の急落と比較して軽微で済んでいるのです。
TOPIX(東証株価指数)も比較しておくと、下落幅は昨年5月が231.86ポイント、今回が同166.96ポイント。下落率は18.17%、今回は同12.78%とやはり軽微で済んでいるのです。
底入れ確認後でも高収益を確保できた
株式市場の底や天井は後になって分かることですから、底で買い、天井で売ることは狙ってできるものではありません。また、リスクを考慮すれば底入れを確認してから動いても遅くはないと思われます。昨年5月の急落の後、日経平均株価が底を入れたのは6月13日でした。底入れ後、すぐ投資に動くことはできにくいことから、6月末(昨年は6月28日)に投資に動いたとしましょう。結果論かも知れませんが、6月末に投資に踏み切った場合でも、年末の高値までに日経平均株価で19.11%の上昇を得ることができたのです。
投資というよりやや投機になってしまうかもしれませんが、日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が変わってない以上、昨年5月の急落後の期待感は高いと思われます。あくまでも余裕資金で勇気を持って投資に踏み切ってもよい気がしてなりません。どの日本株ファンドを購入するのかがポイントになりますが、
参考になるのは2013年の年間騰落率の上位を占める投資信託と思われます。2013年の年間騰落率は上位を日本株ファンドが独占。単純にいくのであれば、ハイリスク・ハイリターンになりますが、ブル・ベア型ファンドが良いと思われます。
2013年6月末から同年12月末までの6ヵ月間の騰落率は、楽天投信投資顧問の「楽天日本株トリプル・ブル」が57.9%、SBIアセットマネジメントの「SBI日本株トリプル・ブルベアオープン(SBI日本株トリプル・ブル)」が57.8%でした。この2つは日経平均株価の概ね3倍の収益の確保(裏を返せば3倍の損失を被る)を目指す投資信託です。
大和証券投資信託委託の「ダイワ・ブルベア・ファンド3 2.5倍日本株ポートフォリオ3」が48.8%、野村アセットマネジメントの「野村ハイパーブル・ベア3(日本ハイパーブル3)」は48.9%です。これらは、日経平均株価のおおむね2.5倍の収益の確保を目指す投資信託です。
レバレッジをかけている日本株はハイリスク・ハイリターン型ですから、通常のアクティブ運用ファンドも見てみましょう。DIAMアセットマネジメント「DIAM新興市場日本株ファンド」は49.1%、インベスコ投信投資顧問の「インベスコ・ニッポン新興成長株ファンド」が33.9%、JPモルガンアセットマネジメントの「JPM店頭株オープン96」が33.4%となっています。
過去の運用成績が将来の成績を保証するものではありませんが、日本株の上昇が続くと考えるならば1つの目安になる可能性は高いでしょう。底入れを確認した後に動いても、十分高収益を確保できそうです。あくまでも余裕資金で投資することだけはお忘れなく。
なお、2013年年間騰落率第1位の三井住友アセットマネジメントの「JASDAQ-TOP20指数ファンド」の6カ月の騰落率は-12.6%でした。(2013年12月30日基準)