ダイビングを始める際に感じる疑問・不安で多いのが「からだ」や「健康」について。最近では中高年でダイビングを始める人も多く、体力に自信がなかったり、持病があったりで、不安を感じている人もいるようです。また、生理や妊娠といった女性特有の問題も。前回に引き続き、ダイビングを始める際に感じがちな「体の疑問・不安」についてお答えます。
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疑問・不安は事前に解消して、健康的にダイビングを楽しみましょう!

肌荒れの対処法は?

海水でかぶれを起こす人もいますが、これは海から上がってすぐに真水のシャワーを浴びるようにすれば、それだけでかなり違います。日光アレルギーの人は、なるべく直射日光を避けて日陰に入るとか、フードのついた上着を用意するなどしましょう。スーツの脱着などで生じる皮膚摩擦や、汗をかいたり、海水に浸かったりすることで起こる肌への刺激で、アトピーが悪化することも十分考えられます。

しかし、場合によっては、皮膚炎の原因のひとつとなっていた精神的なストレスが、ダイビングによって発散されて、一時的に皮膚炎が良くなることも。最初からあきらめずに、主治医の先生とよく相談して、納得したうえでダイビングを始めるようにしましょう。

タバコは止めなきゃダメ?

たとえヘビースモーカーであっても、現段階で体に問題がなければ、ダイビングをしても支障はないでしょう。

ただし、タバコがダイバーに及ぼす悪影響については知っておくべきです。タバコは肺の活動に悪影響を与えるので、心肺機能を活発に使うダイビングには良くありません。特に、ダイビング直前の喫煙は水中で一酸化中毒を起こす危険性があるので、絶対にやめましょう。タバコに含まれるニコチンの影響で心拍数増加や血圧上昇、抹消血管の収縮など心臓・血管系への急性的な作用が見られるうえ、煙に含まれる一酸化炭素が赤血球のヘモグロビンと結びつき、酸素の運搬機能を阻害することが知られています。

タバコを吸う、吸わないは、個人の嗜好の問題です。しかし、海へのタバコのポイ捨てなどは大ひんしゅくです。吸うならば、携帯用灰皿を用意するなどして吸殻の始末に気をつける、せめて風下で吸うなど、他のダイバーへの配慮や喫煙マナーを厳守することが鉄則です。

船酔いしない方法って?

もちろん酔い止めの薬もありますが、薬を飲む前に、まずは一般的なこととして、酔わないためのコツをいくつか挙げてみましょう。

まず、ボートに乗る前の食事は軽くとっておくこと。満腹すぎても空腹すぎても船酔いの原因になるので要注意です。ボートの上ではなるべく揺れが少ないボートの中心部に乗るようにしましょう。風通しがいい場所のほうがベターです。

また、スペースがあったら、横になって少し頭を後ろに傾けるようにすると、体のバランスをつかさどる三半規管が水平になるため、効果的です。寝るスペースがない場合は、なるべく視覚が影響しないように、遠くのあまり動かないものや、景色を見るようにしましょう。

ボートの上で下を向いていたり、細かい作業をすると酔いやすくなってしまいます。器材のセッティングなどはボートに乗る前に準備し、余裕を持ってボートに乗りましょう。また、フィンやマスクなどの軽器材もすぐに装着できるように用意しておきましょう。ボートに乗っている時間が長い場合は、ウエットスーツを腰までにする・ファスナーを開けておくなどして、少しでも体を締め付けないように工夫をしましょう。

また、慣れや精神的要素も大きいので、あまり頭で弱い弱いと思い込まないことも大切です。

花粉症の時期はダイビングできない?

毎年春先になると多くの人が頭を抱える花粉症。症状の重い軽いは人それぞれですが、鼻はグズグズ、目はウルウル、あの不快感はたまりませんよね。そんなとき海に潜れば気分がよくなるのでは、と思うかもしれませんが、鼻がグズグズしているときは、風邪を引いたときと同じように、炎症によって口の奥の耳管がむくんだり、粘液が中に溜まっていたりして、耳ぬきがうまくできない可能性があります。残念ですが、症状がひどいときは、潜らないほうが無難です。

しかし、花粉症は季節が過ぎれば治まります。症状が重いときは休んで、コンディションのいいときに楽しく潜ろうと気楽に考えてみてはいかがでしょう。
なお、花粉症用の薬を飲んで症状が治まっている場合でも、薬の成分がダイビング中に飲むのには適さないものもあるので、お医者さんに相談してみるのがよいでしょう。

腰に負担はかかるんでしょうか?

腰痛を持っている人はかなり多いようです。中でも最も多いのは、いわゆるギックリ腰。これは何か重いものを無理して一気に持ち上げようとしたり、腰をひねったりしたときに多く見られます。

炎症が治まるまでは安静にしていなければなりませんが、痛みがとれたらむしろ、運動して筋肉を鍛えたほうがよいのです。フィンを履いて大きく足を上下運動させるダイビングのキックは、本来腰痛には理想的ということになります。

水の中は無重力の世界ですから、腰に不安はかかりませんが、エントリー・エグジットのときには、重い器材を持ったり、背負って移動するなど、どうしても器材の重みが腰にきます。その場合、以前に腰を痛めたことがあるということを、インストラクターやバディなどに事前に話しておいて、サポートしてもらうようにしましょう。

虫歯は関係ありますか?

虫歯そのものがダイビングに支障をきたすわけではありません。問題なのは、一度治療して金属などをかぶせた歯が、その中でまた虫歯になった場合です。どういうことが起こるのかというと、閉鎖された空間の場合、潜降するにしたがい、圧力が増します。そうすると、金属などをかぶせた歯に強く圧迫されることになり、その圧力で虫歯におかされた歯がズキズキ痛むということになります。反対に、浮上するときは、空間が膨張するためにまた痛むわけです。
ひどい場合にはあまりの傷みにパニック寸前になることも。

楽しいダイビング中に歯がズキズキでは、注意力も散漫に、楽しみも半減してしまいます。そんなことにならないように、たかが一本の歯だからといって油断しないで、定期的に歯科医でチェックするようにしましょう。

目が悪くても大丈夫?

目が悪くてもダイビングすることはできます。水中では物が約25%、近く、大きく見えるので、多少目が悪い(0.7くらい)なら、そのままダイビングしても大丈夫でしょう。

ダイビング中はマスクを使用するため当然のことながら眼鏡は使えません、しかし2眼式のマスクなら自分の視力に合った度付きレンズが選べるので、マスクが眼鏡代わりになります。これには乱視や老眼用のレンズもあるのでご心配なく。

また、コンタクトレンズをして潜っている人もいるようですが、マスクが外れた場合や、急にマスクの中に水が入ったりした場合に流れてしまう可能性があるので注意が必要です。
⇒目の悪い人がダイビングを楽しむための注意点

飲酒はダイビングに影響がありますか?

お酒に関して、飲む・飲まないというのは、基本的に自己管理の問題としか言えません。ただし、二日酔いになるほど飲んだり、朝近くまで飲むのは絶対によくありません。

二日酔いで体調不良のまま潜っては、海で具合が悪くなりがちです。一番怖いのは、朝まで飲んで、血中にアルコールが残っている状態のままダイビングをする場合です。当然、水圧で血中アルコール濃度が上昇しますので、水中で酩酊状態となり、思いがけないトラブルを起こしかねません。

それから寝不足ですが、睡眠時間が足りないと注意力が散漫になったり、体力的にも疲れやすくなるので、これもまた大変危険です。

お酒も適量を楽しく飲むようにして、睡眠も最低6時間はとりましょう。そして翌朝ベストな体調で、潜れるようにしましょう。


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