ハウスメーカー・工務店/住宅メーカー・ハウスメーカー比較[価格]

ハウスメーカーの「コストダウン」から考える住宅価格(2ページ目)

今回の記事は、ハウスメーカーが行っているコストダウンについての内容です。そこから「住宅価格」がどのように決まっていくかについて理解を深めていただきたいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

前ページでご紹介したアキュラホームだけでなく、ハウスメーカーなど全ての住宅事業者はそれこそあらゆるコストダウンに取り組んでいます。消費者にとって特に住宅は一般的に非常に高額な買い物であり、事業者間の競争が熾烈な世界ですから、コストダウンの成否は企業の死活問題になるからです。

コストダウンの成果は私たちにどう反映される?

ちなみに100万円というアキュラホームのコスト改善の成果は、分譲住宅だからできたことだともいえます。分譲住宅ですと、大量に資材を一括購入することで大きくコストを下げられるからです。ですから、注文住宅で同じようにコストダウンが可能となるかというと、話が違ってくる場合があります。

様々な試行素材

コストダウンに取り組んだ50項目のうちの一部。これまで通常は使用されない素材や、「高い」と考えられていた建材なども取り入れ、コストダウンに寄与するか検討が行われた(クリックすると拡大します)

特に注文住宅の場合はそれぞれで敷地の条件が異なりますから、例えば「土」に関するコストダウンの手法が全ての敷地に通用するものではありません。地盤の状況などで条件は大きく変わるからです。要するに、「100万円安くなるアキュラホームなら絶対お得!」と、過度な期待はするべきではないということです。この点はくれぐれもご承知おきを。

さて、私たちにとって大切になるのは、仮に100万円のコストダウンが可能になったとして、それがどう私たちに反映されるかということ。その成果がどのように還元されるか、と言い換えてもいいかもしれません。

大きく三つの考え方・手法があり、運用が行われているようです。一つは直接、住宅価格の低減につなげること。二つ目は付加価値を上げること。三つ目はハウスメーカーなどの利益分として確保するというものです。

一つ目は、私たち消費者にとっては大歓迎ですよね。同じ価値の住まいを、よりお手頃に取得できるわけですから大万歳です。二つ目についてはコストダウン分で、例えばバスやトイレなどの住設設備のグレードアップをはじめ、太陽光発電システムなどのエコ設備を追加するなどということが考えられます。

これも消費者的にはうれしいこと。価格が上昇することなく、グレードの高い住まいを手にできるのですから。よくハウスメーカーなどでキャンペーンをやっていますが、その多くがこのようなかたちで付加価値を高め割安感を感じてもらえるようにしているものです。

三つ目については、消費者的にはもしかしたら歓迎されないことかもしれません。私たちに何のメリットないように感じられるからです。しかし本当にそうでしょうか。規模に関わらず住宅事業者は利潤を追求する企業。より大きな利益を求めるのは当然です。

コストダウンから見えてくる「住宅価格」の背景

特に住宅は長期にわたるメンテナンスが必要な商品です。皆さんに長く住み続けてもらい資産価値を守っていくためには、毎年しっかりと利益を確保することで会社存続のための原資を積み上げなければいけません。

物流センター

ハウスメーカーでは、様々なコストダウン策が検討・実施されている。写真はアキュラホームの物流拠点の様子。ここで組み立てられるモノは組み立て、現場施工しないですむようにすることでコストダウンを図っている(クリックすると拡大します)

「できるだけ安く住宅を提供したい」といって頑張っている住宅事業者も中小規模の会社を中心に数多くありますが、その一方で資金繰りに困り会社経営に行き詰まるケースも多々みられます。そのような事業者の場合、メンテナンスなど「末永いお付き合い」ができなくなり、消費者に迷惑をかけてしまいます。

ですので、住宅事業者のコストダウンというのは単にイニシャルコスト(建築時に支払うコスト)だけに反映されるのではなく、長期的なサービスの実施までを含めて反映されているものであり、「住宅価格」というのはそうやって決定されるものだということを理解すべきだと思います。

実際、コストダウンの成果の反映・還元は、前述の三つの考え方・手法をうまくミックスして運用することで成り立っています。このあたりの状況、つまり会社経営の内容も依頼先選びのためには注目したいものです。

実際の住まいづくりにおいて価格の安さは非常に魅力的です。ですから最終的な判断は皆さんにお任せするしかありません。しかし、住宅は家族の安全や安心に関わる大切な存在ですから、ある程度、高額になるのは致し方ないと思います。

その価格の実態、内訳が非常に見えづらいのが問題なのですが、今回のコストダウンの仕組みを知っていると、一見摩訶不思議に見える住宅価格の背景を理解する一助となると思います。

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