今回は住まいの「ユニバーサルデザイン(UD)」に関するお話です。皆さんはこの言葉をご存じでしょうか。私はすごく大切なポイントだと思っています。このUDがどれくらい導入されているかを、ハウスメーカーと住宅の善し悪しを見る判断基準としているくらいです。それは、UDが十分に導入された住宅は、「優しい」住まいだと思うから。一つひとつをみると大変地味なのですが、ハウスメーカーの良心が反映された世界であるとも考えています。

ユニバーサルデザインは、1980年代(諸説あるようです)にカリフォルニア大学のロナルド・メイス博士が提唱。「障害者・高齢者・健常者の区別なしに、すべての人が使いやすいように製品・建物・環境などをデザインすること」(大辞林第二版)とされています。主に高齢者の使い勝手を考慮したバリアフリーの考え方を、誰にでも使い勝手のいいように進化させた考え方であるといえます。以下がUDの7つの原則と呼ばれるものです。

(1)公平性(誰でも使いこなすことができる)
(2)自由度(右利き、左利き両方が使いやすい)
(3)簡単さ(作りが簡単で、使い方もわかりやすい)
(4)明確さ(知りたい情報がすぐに理解できる)
(5)安全性(使用に安全、安心で、誤使用しても危険が少ない)
(6)持続性(長時間使用しても体への負担が少ない)
(7)空間性(どのような体格、姿勢、動きでも快適に使える大きさ、広さがある。以上は小学館・日本大百科全書より)

バリアフリーの考え方が進化

洗濯機
ユニバーサルデザインの代表的な商品・斜めドラム式洗濯機。省エネ家電としても知られている
身近な事例としては、斜めドラムタイプの全自動洗濯機、床面を低くしたノンステップバス、シンプルなイラストで誰にでもわかりやすくした表示板などがあげられます。私たちの暮らしにも随分と浸透していますね。

ちなみに、2003年にはわが国発のUDを発信する機関として「国際ユニヴァーサルデザイン協議会」が設立されました。自動車や家電、住宅関連業界などわが国を代表する数多くの企業が参加しています。

ここまではUDに関する一般的な話。次のページでは、いよいよ住まいに関するUDについて考えてみましょう。近年の新築住宅の各部位にはその具体例が数多く見られるようになってきました。