ハウスメーカー・工務店/住宅メーカー・ハウスメーカー比較[工法・耐震・デザイン]

優しい住まいのカギ ユニバーサルデザイン(3ページ目)

「ユニバーサルデザイン」という言葉をご存じでしょうか。誰にでも使いやすくて安全な製品などのことをいいます。住宅の世界でも普及しつつありますが、まだハウスメーカー間で差があるようです。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

空間提案にもUDの要素が普及

オープン空間
大和ハウス「xevoエディ」のモデルハウス。半透明の引き戸を採用することで、スペースの可変性だけでなく採光にも配慮している
近年、ハウスメーカーの商品をみていると、オープンな間取り、可変性のある間取りが特徴となっています。実はこれもUDとの関連性が深いのです。従来までの住まいは、新築した時点が使い勝手の点でベストな状態で、ライフスタイルが変化すると使い勝手が悪くなる場合がほとんどでした。

最近は、こうした住まい手のニーズの変化や、ストック住宅として購入したユーザーにとっても使い勝手がいいように、できるだけオープンな間取りとするように工夫が行われています。オープンで可変性があることで、様々な住まいニーズに対応しやすいからです。

空間を有効活用できる「引き戸」

オープンな間取りとするのに有効なのが「引き戸」。ドアと壁で空間を仕切るのに比べて、引き戸は間仕切りと開放の二つの機能があります。これにより、フレキシブルな空間活用が可能となり、これもUDの方向性と合致するのです。ドアよりも空間を有効活用できるのも特徴です。

引き戸
引き戸は空間の有効利用に最適。写真の引き戸は取っ手の部分を収納できる工夫が特徴的
わが国の住宅はかつて、引き戸によって間仕切る仕組みでした。西洋化が進み個室を求めたためドアによる間仕切りが主流となってきましたが、近年は「和の暮らし」が見直されてきたこともあり、次第に引き戸の採用も増えてきました。特に、シニア世代の暮らしには大変有効だと考えられます。

このようにUDには、誰にでも使いやすく安全であるということのほかに、長く住まい続けられるという点で、長期優良住宅の方向性とも大変相性がいいのです。ただ、UDと空間提案、さらには長期優良住宅を関連づけているハウスメーカーはまだ数が少ないのが現実です。

UDはハウスメーカーの「良心」の尺度

UDは一つひとつをみると大変地味な世界なのですが、それによりどれだけ作り込まれているかを把握する良いバロメーターになると、私は見ています。今現在の住宅市場をみると、価格の安い高いに関わらず猫も杓子も長期優良住宅をアピールしていて、違いがわかりづらくなっています。

バリアフリー
LDKから外のウッドデッキにつながるサッシ部分にまでバリアフリーを徹底した事例
しかし、UDに注目してハウスメーカーを見てみると、例えばモデルハウスや完成建物を見学すると、細やかな配慮の違いが理解できるものです。そしてそこに、ハウスメーカーが良心的なのかどうか、判断する材料が見つかると思います。今回紹介した以外にも、視覚的な側面からUDを導入する事例もあり、こうした点ではハウスメーカーによってまだ大きな差があります。

何よりUDの考え方を学ぶことによって、住まいに関する見識が格段に深まり、楽しさが倍増します。このガイドサイトの目的の一つは、「良い住まい」についての皆さんなりの価値観をもっていただくこと。UDに注目することはその助けになるはずです。
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