強羅温泉とは
強羅は、箱根登山鉄道の終点で、ケーブルカーへの乗り換え駅。強羅温泉は、強羅駅から早雲山駅までのケーブルカー沿いを中心とした大きな温泉地です。上には早雲地獄と呼ばれる噴気地帯があり、昔はそこからの落石で岩がゴロゴロしていた事から、強羅と呼ばれるようになりました。箱根は外輪山に囲まれた場所が多いのですが、登山鉄道の終点まで登って来たせいか、強羅付近では外輪山の圧迫もあまり感じませんし、ケーブルカー沿いの急斜面に、温泉宿がひな壇のように立ち並び、宿からの眺望も抜群。箱根では屈指の、風光明媚な温泉地です。
白濁の硫黄泉の他、褐色の濁り湯や、すべすべ感の強い透明な湯など、箱根にしては珍しい程の多種多様な湯が湧きます。宿によって温泉の泉質が異なり、温泉本来の楽しさを満喫出来る温泉地。今回は箱根温泉郷の中でも、特におすすめの強羅温泉を紹介します!
強羅温泉の源泉、泉質
強羅温泉は、箱根の中でも特に多種多様な湯が湧く温泉地で、旅館組合のサイトでも、ナトリウム塩化物泉、酸性硫酸塩泉、カルシウム硫酸塩泉、単純温泉の四種に分けて宿の湯を紹介しています。この中で酸性硫酸塩泉は白濁の硫黄臭がする個性が強い温泉で、単純温泉は逆に透明でクセの無い湯。そのような湯が希望の場合は、これらの湯が引かれた宿を選びましょう。
一方、ナトリウム塩化物泉と、カルシウム硫酸塩泉は、通常は透明なお湯ですが、強羅では黄色や褐色の色の付いた湯であったり、透明でも非常にすべすべ感が強い湯であるなど、源泉によって様々な湯の個性を感じる場合もあります。強羅温泉の奥深さを探求したいという温泉マニアには、こちらの泉質の湯を引いた宿がお勧めです。
強羅温泉のおすすめ旅館
強羅温泉は鉄道でも道路でも、箱根の交通の要衝と言える場所にあり、どの方面にも行ける便利な場所。そのせいか、箱根を代表する高級宿が数多く揃っています。代表的なのが強羅花壇。洋風の代表格はハイアットリージェンシー箱根リゾート&スパ。他にも評判が良い宿として、強羅花扇があり、赤みを帯びた重曹泉の湯が掛け流しになっています。至近距離の小涌谷で評判が良いのが箱根・翠松園で、全室が自家源泉掛け流しの露天風呂付きスイートルームになっている高級宿です。高級宿以外では、泉質が良好な宿が、強羅公園に隣接する宿「翠光館」。わずかに褐色の色が付いた透明なナトリウム塩化物泉で、モール泉のような独特の温泉臭と、すべすべとした湯の感触が素敵です。日帰り入浴も受付けているので、泉質の良さを確認した上で泊まるのもおすすめ。日帰り入浴料金には強羅公園の入園料も含まれているので、強羅公園の草花が元気な季節が特にお勧めです。
昆布茶色のナトリウム塩化物泉で、香りまで昆布茶のような強羅でも奇跡的な名湯を掛け流しで利用しているのが、共立メンテナンス系列の「季の湯雪月花」。日帰り入浴は出来ませんが、是非泊まって温泉泉質の良さを堪能したい宿です。
強羅温泉の日帰り入浴施設
強羅温泉には日帰り専門の入浴施設はありませんが、宿の前に日帰り温泉の「のぼり」が出ているのが「薬師の湯 吉浜」。無料駐車場も完備しており、車でも気軽に立ち寄る事が出来ます。お湯は内湯のみで、透明の熱い湯ですが、入ってビックリ。非常にすべすべ感の強い湯で、箱根に居る事を忘れてしまいそうな名湯。宿の裏がケーブルカーの強羅駅で、定期的にケーブルカーが出発する音が聞こえるのが、独特の風情になっています。泉質の違いにこだわる方なら、湯の良さに離れ難くなり、延々と長湯してしまうに違いありません!
次ページでは、強羅温泉の観光スポットをご紹介します。