理学療法士/理学療法士試験の問題傾向と対策

理学療法士(PT)試験(ADL)の問題傾向(2ページ目)

ADL(日常生活動作)の自立は、リハビリテーション概念においてQOL(生活の質)の向上と共に最も重要な目的となります。これを理解せずにリハビリテーションに関わる事は大問題。しっかり復習しましょう。

野田 卓也

執筆者:野田 卓也

理学療法士試験ガイド

過去問題 第48回(2013年)
老研式活動能力指標に含まれる項目で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 金銭管理
  2. 自動車運転
  3. 町内会活動
  4. スポーツ活動
  5. 公共交通機関の利用

この問題の答えは【1,5】になります。老研式活動能力指標については以下をご参照ください。
adl4

より高次の生活能力を評価する為に開発された評価法。13項目の評価があります。

この問題も前問同様、表に含まれる評価項目はどれか?という形になる為、1の金銭管理と5の公共交通機関の利用が正解として選択されます。今までに出題された事のない評価法であり、戸惑いもあるかと思いますが、国の方針として退院後の在宅生活が推進されており、今までのADL評価では評価しきれていない、より高次の生活能力の判定も重要になってきています。そういった意味では、国家試験の勉強においても今後、Barthel IndexやFIMなどのADLだけでなく、老研式活動能力指標などのILDL評価に関してもより学んでいく必要があると考えられます。


過去問題 第44回(2009年)
機能的自立度評価法(FIM)の得点で正しいのはどれか。
adl1

生活再建を考える指標として多く使われるFIM。理学療法介入前後の評価はとても重要です。

  1. 2点
  2. 3点
  3. 4点
  4. 5点
  5. 6点

この答えは【5】になります。まずは以下にFIMの評価についてあげます。
adl2

FIMには様々な項目がありますが、どの項目もこの評価基準を頭に入れておかないと何も判断できません。しっかり押さえましょう。

FIMには様々な項目がありますが、どの項目もこの評価基準を頭に入れておかないと何も判断できません。しっかり押さえましょう。
正答の5ですが、杖歩行で自立しており装具使用が当てはまる事から6点となります。1は移乗動作において2人の介助者が持ち上げておりそのほとんどを他者に依存するため1点。2は1と同様に移動動作において2人介助であり1点となります。3は更衣動作において自助具を使用して自立しているため6点。4は移乗動作において手すりを使用して自立しているため6点となります。

【関連記事一覧】
理学療法士試験の問題傾向と対策
理学療法士(PT)試験 総合的な問題傾向
どこよりも早い!第50回理学療法士国家試験問題と解説

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます