理学療法士/理学療法士試験の問題傾向と対策

理学療法士(PT)試験…整形外科疾患の問題傾向(2ページ目)

理学療法士試験、共通問題の整形外科学と専門問題の整形外科疾患の違いは、各整形外科疾患を受傷、もしくは発症した方に現場でどのような評価を行い、どのような理学療法を行うのかといったことをより深く問う点にあります。

野田 卓也

執筆者:野田 卓也

理学療法士試験ガイド


過去問題 第50回(2015年)

胸郭出口症候群に最も関与するのはどれか。
  1. 胸 骨
  2. 胸鎖乳突筋
  3. 肩甲骨
  4. 前斜角筋
  5. 大胸筋

この答えは【3】になります。胸郭出口症候群は、胸郭出口付近で腕神経叢や鎖骨下動静脈が圧迫され、上肢のしびれや脱力感、冷感などが発生します。それを引き起こす要素として、鎖骨や鎖骨下筋による圧迫、小胸筋による圧迫、斜角筋群による圧迫。第1肋骨による圧迫などがあげられます。

過去問題 第50回(2015年)

膝前十字靱帯断裂の評価で適切な検査法はどれか。2つ選べ。
  1. 前方引き出しテスト
  2. Barlow テスト
  3. N-テスト
  4. Ortolani テスト
  5. Patrick テスト

この答えは【1,3】になります。前方引き出しテストとN-テストは、Lachmanテストとともに膝前十字靱帯断裂では陽性となります。2のBarlow テスト、4のOrtolani テストは、新生児期の股関節形成不全のテストであり、5のPatrick テストは、股関節の変性疾患などのテストになります。

過去問題 第49回(2014年)

発育性股関節形成不全について正しいのはどれか。
  1. 開排は制限されない。
  2. 大腿骨頭の前方脱臼が多い。
  3. 乳幼児ではリーメンビューゲル装具を用いる。
  4. 2歳以上では外転位保持免荷装具を用いる。
  5. 二次的な変形性股関節症にはなりにくい。

この問題の答えは【3】になります。ます、発育性股関節形成不全というのは、近年の呼び方であり、以前は、先天性股関節脱臼といわれていました。こういった名称の変化で惑わされる事もありますので気をつけましょう。発育性股関節形成不全では、二次性の変形性股関節症の原因になりやすく、変形性股関節症発症原因の8割を占めます。股関節内転拘縮を生じる事が多く、開排制限が起こり、また、大腿骨頭の後方脱臼が多いです。4.の選択肢の外転位保持免荷装具はペルテス病に用いられます。

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