脂肪腫とは

脂肪腫とは、脂肪細胞から成る良性腫瘍で、いわゆる「脂肪のかたまり」と呼ばれるものです。良性軟部腫瘍の中では、血管腫(血管由来の腫瘍)に次いで2番目に多く見られる一般的なできものです。粉瘤(ふんりゅう)・アテロームと混同されることもありますが、化膿したり臭いを放つことはありません。

通常痛みはなく、皮膚の下にふくらみがあることに気がつき受診される患者さんが多いです。

皮膚は上から表皮・真皮・皮下脂肪組織があり、さらにその下に筋肉や骨があります。ほとんどの脂肪腫は皮下脂肪の層に発生しますが、その2%程度は筋肉内(筋肉の中や筋肉と筋肉の間)にできることもあります。できものの直上の皮膚には変化はなく、皮膚の下に弾力のあるしこりとして触れます。脂肪腫の詳しい原因は現在のところ分かっていません。

脂肪腫の好発部位…首・肩・背中にできやすい脂肪腫

頸部(けいぶ)脂肪腫

頸部(けいぶ)脂肪腫

脂肪腫は身体のどこにでもできますが、できやすい部位は首、肩、背中。次いで大腿や下腿、臀部(おしり)などです。

大きさも様々で、直径1センチメートル程度の小さなものから、直径10センチメートル以上のものも多く認めます。

 
肩の脂肪腫

肩の脂肪腫

また、しばしば多発し痛みを伴うものとして、血管脂肪腫と呼ばれるものがあります。これは、直径が1~2センチメートル程度の小さなもので血管成分に富み、摘出すると血流に富んでいるため通常の脂肪腫よりもやや赤っぽく見えます。


脂肪腫の診断法・検査

診断は臨床症状や必要に応じエコー検査、CT、MRIなどで行いますが、悪性の脂肪肉腫なども疑われるような場合は、手術の前に病理検査といって組織の一部をとり顕微鏡の検査を行うこともあります。

脂肪腫の治療・手術

背中(肩甲部)の脂肪腫

背中(肩甲部)の脂肪腫

治療は摘出術を行います。良性腫瘍なので緊急の手術は必要ありませんが、脂肪腫は緩徐ではあるものの徐々に大きくなります。自然に消えたり小さくなることはありません。また、まれに脂肪肉腫のように悪性の可能性もあることなどからも、あまり大きくなる前に手術を検討することをお勧めします。大きくなってからの手術では、全身麻酔が必要になったり、キズもそれだけ大きくなってしまいます。手術は保険適応です。

小さいものであれば外来で局所麻酔による手術が可能です。大きいものや筋肉内にあるものなど、全身麻酔での手術が良い場合もあります。

 
術後1ヶ月

術後1ヶ月

手術の流れとしては、まず麻酔の注射をします。できものの直上の皮膚に切開を加え、腫瘍を摘出します。切開はできものの3分の2くらいの長さになります。できものを取り除いた部分は空洞になり血が溜まり易いので、しっかりを止血を行い、工夫をした縫合を行います。そして、必要に応じ、ドレーンと呼ばれる管を入れ血が溜まらない様にします。ガーゼと伸縮テープで圧迫固定をして終了です


 
摘出した脂肪腫

摘出した脂肪腫

ドレーンは術後1~2日で抜去。術後7日目に抜糸を行います。

 

脂肪腫は何科で治療できる?受診すべき診療科

脂肪腫も形成外科の得意分野の一つなので、形成外科での治療をおすすめいたします。