粉瘤とは

粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤(ふんりゅう) 炎症のため発赤、腫脹がみられます

粉瘤(ふんりゅう)は、医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれる疾患。粉瘤腫(ふんりゅうしゅ)、アテローマとも言われます。

ありふれた皮膚疾患の一つで、ホクロ、イボを除いた皮膚良性腫瘍の80%程度が粉瘤です。粉瘤は痛み、発赤などの目立った症状がすぐに出てくることがないので、未治療のまま病院を受診しない方がほとんど。時に感染して痛み、発赤、腫脹の合併を生じて初めて病院を受診される患者さんが多いです。

粉瘤の原因・発生部位

まれに外傷が原因になることがありますが、ほとんどの粉瘤の原因はわかっていません。なんらかの原因で角質物質(皮膚の垢)が皮膚の内側に蓄積してしまい、角質物質の周りの皮膚が皮膚の下で瘤状に発達することで起きます。これを「嚢胞(のうほう)」と呼びます。

嚢胞と角質物質で構成される塊が粉瘤。「脂肪の塊ができてしまった」と表現される患者さまが多いですが、角質物質は硬いので、医師が見れば、柔らかい脂肪腫とは簡単に区別することができます。

また、粉瘤は皮膚が存在する部位であればどの場所にも発生します。比較的多いのは、頭部、顔面、背部。しかし、それ以外の腹部、指、足指、四肢、外陰部などあらゆる部位で見られます。

粉瘤の症状

■粉瘤の色
基本的に初期の小さな粉瘤は、白色~肌色。大きくなるにつれて、黄色、黒色、青色など、様々な色に変化することがあります。他の皮膚疾患と比べて色が異なる場合が多いので、見た目で診断がつくことも多いです。

■粉瘤ができやすい年齢
あらゆる年齢にできるので、年齢だけで診断することは不可能。生まれつきのものごくまれにある一方、老人になってから発生することもあります。何歳でもこの疾患に罹患する可能性があります。

■粉瘤の形態
基本的に丸い形。皮膚表面では隆起した半球形に見えますが、実際は皮膚の厚みの中に球状に存在しています。皮膚の奥に発達する場合は表面からわからない時がありますが、触ると固いしこりが確認できます。しこりをつまんで上下に移動させると周辺の皮膚が同時に移動することから、皮膚腫瘍であると確認できます。

皮膚腫瘍の中で最も頻度が高いのは粉瘤ですが、それ以外のいろいろな皮膚良性腫瘍があるので、専門医の診断が必要です。

また、一般的に良性疾患なので急激に増大することはなく、徐々に大きくなっていきます。

粉瘤の症状の経過

■初期の粉瘤
非感染期の粉瘤

非感染期の粉瘤 肌色の隆起した腫瘍です

初期は比較的小さな球形のしこり。年単位ですこしずつ大きくなります。30年放置して20cmの大きさに達しいた患者さまもいらっしゃいましたので、なるべく小さな時期に摘出することをお勧めします。

ごく小さな初期の粉瘤はニキビと区別するために、病院での鑑別診断が必要です。        





■経過した粉瘤・細菌感染時
炎症期の粉瘤

炎症期の粉瘤 腫脹発赤がみられます

粉瘤の初期から粉瘤の中央に「臍(ヘソ)」という小さな穴があります。

ここから細菌が進入して感染すると、小さなしこりであった粉瘤が炎症のため大きくなり、2~3倍の大きさになります。痛み、発赤が生じるため、病院での治療が必須となります。





粉瘤の合併症・皮膚がんとの区別

ごくまれに皮膚がんを合併します。しかし頻度は高くありません。もし、粉瘤だと思っていたものが、急速に増大したり、出血が見られる場合は、癌の合併も疑わなくてはなりません。該当する症状がある場合は、早めに皮膚科か形成外科を受診するようにしましょう。
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