子育て事情/子育て事情関連情報

「産後クライシス回避のために育児しよう」の落とし穴(3ページ目)

産後クライシスのメカニズムと意味を説く「間違いだらけの産後クライシス論争」第5弾。妻が夫に対して肯定的感情を抱きにくくなるのは産後すぐである。まだ父親としての実感も湧いていないタイミングで、取引の文脈で育児や家事を迫られれば、子どものために、妻のためにという純粋な動機はたちまち摘み取られてしまう。育児や家事に対して「やらされるもの」というネガティブなイメージを刷り込まれることになるだろう。

執筆者:おおた としまさ

産後クライシスは前向きに乗り越えるもの

産後クライシスというネーミングや着眼はいい。育児関連の書籍がこれだけ売れることは珍しい。せっかくこれだけ話題になるのだったら、産後クライシスのネガティブな側面だけではなく、もっとポジティブな意味合いがあることを、もう少し丁寧に見てほしかった。

少なくとも、この記事を読んでくれた皆さんには、産後クライシスを恐れるのではなく、成長するための試練として、前向きにとらえてほしい。

これにて5回にわたって説明した「間違いだらけの『産後クライシス』論争」を終わりとする。バックナンバーはこちら

パパのトリセツ

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最後にちょっとだけ宣伝。
そういう夫婦のすれ違いを防ぐため書いた本がある。
ママ向けには『パパのトリセツ』(ディスカヴァー)
パパ向けには『忙しいビジネスマンのための3分間育児』(ディスカバー)

また、私の本ではないが、産後クライシスについての本を読むのなら、冒頭紹介したポプラ社の緑の表紙の本ではなく、All Aboutのガイドでもある岡野あつこさんが書いた角川フォレスタの『産後クライシス なぜ、出産後に夫婦の危機が訪れるのか』をおすすめしたい。
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