宅地建物取引士(宅建)試験/宅建試験に合格するための勉強法

宅建試験の学習意欲を高める方法と学習時間の作り方

勉強自体が苦手な方にとっては、テキストを開くことだけでも面倒な作業だったりします。そのような場合は、合格後の自分を具体的にイメージすることと、実務に結び付けて仕事を覚える感覚で勉強するとよいでしょう。また、勉強はしているがその時間が足りない場合も合格できません。そのような場合は、すき間時間を活用して勉強するか、短期集中講座を積極的に活用するとよいでしょう。

田中 嵩二

執筆者:田中 嵩二

宅建試験ガイド

なぜいつも不合格なのか?を考えてみる

合格通知がこない写真

宅建試験に合格できない理由

「毎年あと数点足りずに不合格になっていました」
「今年、合格できた理由と、去年までの勉強と今年の勉強の大きな違いを教えてください」
「約10年間、受験生をしてきましたが、過去問の勉強のやり方は今年はじめて知りました」
「講座も受講したことがありますが、これまでの先生はテキストを読むだけだったり……」

私はこれまでに多くの宅建受験者の受験指導をしてきました。はじめは、勤めていた高校で就職等に役立つ資格講座として自ら企画しテキストを書いて教えました。その後、大手予備校の講師として多くの宅建業者に出向いて講義をし、現在は自ら予備校を設立して取引先の企業で教えています。毎年、合格者と不合格者に上記のようにインタビューして講座運営とテキスト作りに役立てております。

その経験から、何度も不合格になる方には、だいたい共通して不合格になる理由というのがわかってきました。

そういう私も、最初に受けた宅建試験は見事に(?)不合格となり、法学部出身で天狗になっていた自分のプライドがズタズタになり、必死に勉強して2回目で合格したという経験をもっているので、不合格になる人の気持ちも理由もわかります。

この記事を通じて、これまでの私の講師経験から得た宅建試験に短期間で合格する方法を、「不合格になる理由」という逆説的な視点から、まとめてみたいと思います。


そもそも勉強していないから不合格になる

宅建試験に限らずどんな試験も勉強せずに合格することはできません。

たまに「四択だから、4分の1の確率で当たるし、あとは運まかせだ」という受講者の声を聞くことがあります。たしかに、1~2問程度なら当たることもあるでしょう。しかし、それ以上に外れる可能性が高く、思っている以上に四択といえども当たらないものです。

運は、努力して勉強した方に訪れるものです。「たまたま昨日復習した模擬試験の問題が2問も出題されたよ!」という強運も、勉強したからこそ訪れるものです。

勉強せずに合格したいと思っている方は、その考え方を改めることから始めましょう。

【解決方法】
1.合格した後の自分を具体的にイメージする
夢も目標もなく、ただ頑張れ!と言われても無理な話です。やはり、具体的な夢や目標があってこそ、そこに向けて頑張れるものです。そして、その夢や目標は抽象的ではだめです。具体的であればあるほどやる気も出てきます。たとえば、取引主任者として部下を従えてお客様に重要事項説明をしている自分をイメージしたり、資格手当で給料が増えることで、ほしかった外車を購入して恋人とドライブしている自分をイメージしたり、購入した外車の革張りのシートの匂いまでしてきそうなくらいに具体的にイメージしましょう。そうすると、その夢を現実にしたいと強く思うようになり、勉強しようという気になってきます。

2.はじめは試験よりも実務を意識する
勉強が苦手な方は、学生時代の定期試験や受験をイメージしがちだったりします。しかし、宅建試験はこれまで経験した「試験」とは全く異なるものです。

学生時代の試験では、基礎学力に関するものが多く、どうしてもその試験で問われる内容が実社会でどのように活用されているのか、将来の自分にどのように役立ってくるのかがイメージしにくいものでした。だから、「試験に合格するために勉強する」という間違った意識を持ってしまい、勉強=苦痛・忍耐・我慢……という嫌なイメージを頭に残してしまいます。

しかし、宅建試験などの専門的な試験は、その内容が実務的で、近い将来自分にどのように役立つかがイメージしやすいものです。ですから、まずは、これまでの「試験勉強」というマイナスのイメージを捨てましょう。入社したとき、新しい職種のアルバイトを始めたときに経験した、「早く仕事を身につけたいな」と思ったあの感覚で勉強をしましょう。

「昨日のお客さんから○○と質問されたけど、よくわからなかったなあ……あれはどう対応すればよかったんだろうか。テキストで調べてみよう」「将来不動産屋さんに勤めたら土地とか建物の売り買いをお手伝いするんだよなあ。もし、欠陥住宅を売ったらどうなるんだろうか。テキストで調べてみよう。」というように身近な例をイメージして仕事を覚える感覚でテキストをパラパラめくるところからはじめましょう。


勉強していても、時間が圧倒的に足りない

個人差はありますが、宅建試験に合格するためには最低でも200~300時間程度は学習しなければ合格できません。もちろん、大学法学部や他資格の学習ですでに出題範囲の法律の一部を理解している場合はもっと短縮できます。

1日2時間学習して約5ヶ月かかる計算です。ですから、試験1ヶ月前にはじめてテキストを開きましたでは、難問化した今の宅建試験では合格できません。遅くとも受験する年の5月くらいから始めましょう。

ただ、そうは言っても、お仕事をされている方などは1日2時間勉強するのはなかなか難しいかと思います。

【解決方法】
1.すき間時間を活用する
電車で通勤されている方は、電車内で学習しましょう。今は宅建試験問題と解説のアプリなども多いので、どんどん活用しましょう。電子書籍を利用してスマホで読むのもよいでしょう。どうしても寝てしまうという方は、受験勉強中はできるだけ座らずに立って電車に乗ると、さすがに寝なくなります。

自動車などで通勤されている方は、音声データを活用しましょう。最も効果的な方法としては、休日に自分でテキストを読み上げてそれを録音し、移動中・睡眠までの時間等を利用して何度も繰り返し聞くことです。再生のスピードを1.2~3倍程度にすると、自分の声に聞こえなくなるので苦痛ではなくなります。

2.短期集中講座を活用する
予備校などで実施される1~2日程度の集中講座を活用するのもコツです。丸一日お休みできる貴重な時間を無駄にしないためにも、朝から晩まで一気に出題範囲を網羅するような詰め込み式の講座を受けることをお勧めします。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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