アメリカ在住でアクティブシニア社会を語る木村徳子氏
木村氏は、コロラド州のゲーティッドコミュニティ「アローヘッド」にご主人と住み、冬はスキー、夏はゴルフ、ヨガやピラティスなどを愛するアクティブ派の一人。
60-70代でも「冬はスキー、夏はゴルフ」ライフ
住まい、趣味、ライフスタイルすべてが自然をベースにしている(写真協力:輸入住宅推進協会)
木村氏はこのゲートコミュニティの中で、何度か住み替えたとか。まずスキーに遊びに来て夏も滞在するので広めのシーズン・ロッジを買い、そこで住み続けたくなって戸建を買いました。「このゲートシティは、そういう住み替えにも対応できるマスタープランニング(環境開発計画)が最初からできている。これこそシニアの愉しみ」と木村氏。
近所住民や孫たちを呼ぶことを想定してつくられた広いホームシアター
木村氏と町田氏は、コロラドと日本を比較して、豊かなアクティブシニアライフに必要な要素として以下を挙げました。
1.すべて徒歩圏でアウトドアや多様なスポーツを楽しめる
2.健康で前向き志向の人が集まってくる
3.同じ趣味を介して知り合ったコミュニティが築かれる
4.スポーツだけでなく、仲間と一緒に学べるコミュニティカレッジ。多種多様な人種が一緒に学ぶことで刺激も。
5.住まいはシニアの趣味。個性の表現の場をパーティで見せ合うことで活力。
6.シニアこそダウンサイジングでなく「enlarge sizing」
老後の住まいこそダウンサイジングでなく逆
キッチンも近所住民や孫ファミリーが来ることを前提とした広さ。皆でキッチンに立つのが楽しみ(写真協力:輸入住宅産業協議会)
「日本は反対。老夫婦だからどんどん家をダウンサイジングしていくことで、余計に近隣や子ども家族を退けているのではないか。これがアメリカの新しいアクティブなシニア家族の在り方」と町田氏は言います。
これらは何も富裕シニアだけの特権ではないところがアメリカ。しかし、アメリカに学ぶべき点は多いと思います。日本が高齢社会を元気に乗り切っていくには、こうした住まいのハードだけでなく、環境やライフスタイル、知事や孫とのつながりの仕掛けが必要なのではないでしょうか。