【不動産売買ワンポイントアドバイス No.029】

耐用年数表

住宅をはじめとして、さまざまな資産には「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」にもとづいて、それぞれ個別の耐用年数が定められています。

建物や設備、機械といったモノにかぎらず、乳牛(4年)、競走馬(4年)、種牡馬(6年)、豚(3年)など生物や、なし樹(26年)、かき樹(36年)など樹木にも耐用年数があります。

これらは言うまでもなく税務用に定められたもので、それぞれの耐用年数に相応する減価償却率によって毎年の経費算入額を求めるためのものです。

特定用途を除く小型自動車の法定耐用年数が4年となっていることからも分かるとおり、物理的な耐用年数とは大きくかけ離れている場合も少なくありません。

住宅については、事業用(賃貸用)の場合にマンションなど鉄骨鉄筋コンクリート造なら47年、木造なら22年などとなっています。木造は店舗用の場合でも同じく22年です。

それに対して自己の居住用の住宅は、鉄骨鉄筋コンクリート造などが70年、木造が33年です。居住用住宅の耐用年数は、売却したときにおける取得費用の計算で用いられます。

しかし、耐用年数表には事業用のものしか記載がなく、自己の居住用の場合は事業用年数の1.5倍で求めることになっていることから、ネット上だけでなく新聞や雑誌にもときどき誤解を招くような記述がみられます。

以前、某有力全国紙に「法律によって定められた木造住宅の耐用年数は22年である。そのため建築後20年を超えるような住宅の価格は評価されないことになっている」というような趣旨の記述がありました。

中古住宅の評価について問題提起をする記事のなかにおける一節でしたが、明らかに原因を取り違えており、それを読んだ一般の読者に誤った印象を与えかねないでしょう。

ちなみに事業用住宅の法定耐用年数は、1998年の改正で短縮されました。鉄骨鉄筋コンクリート造の場合、1997年までは60年でしたが改正後は47年と、2割ほど短くなっています。

もちろん、建物の物理的寿命が短くなったり、耐久性が落ちたりしたわけではなく、減税につなげるための税制上の措置に過ぎません。耐用年数が短いほど毎年の経費に算入できる額が大きくなり、不動産投資をする際の節税効果も高まるのです。

いずれにしても、税務のための「法定耐用年数」と現実の建物の「寿命」の間には直接の関係がないことを覚えておきましょう。


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