いじめ問題・対策/いじめ予防

自分の子どもがいじめている!謝罪方法やいじめた子への対処法

子どもがいじめている、いじめの加害者になったときは、親として、謝罪をする覚悟、子供を正しく導く覚悟、家庭のあり方を振り返る覚悟を決めましょう。衝撃的なことではありますが、冷静な対応が重要です。まずは「子供がいじめている」事実を受け止めることが大事です。

小野田 真里子

執筆者:小野田 真里子

いじめ問題・対策ガイド

子どもがいじめ加害者になったときに決めるべき親の覚悟

いじめ加害者の親の覚悟

子供がいじめ加害者になったときは、親として、謝罪をする、子供を正しく導く、家庭のあり方を振り返る覚悟を

いじめ問題には、いじめ被害者と加害者と傍観者が存在します。もし、自分の子供がいじめの「加害者」になってしまった場合、親としてはどのような態度をとるべきでしょうか。まず、3つの覚悟を決めていただきたいと思います。
  1. 謝罪する覚悟
  2. 子供を正しい方向に導く覚悟
  3. 家庭をふりかえる覚悟
です。
 

いじめ加害者の親の覚悟1. 潔く謝罪する

子供の自律心を養う指導を

子供の自律心を養う指導を

まず、最初に何が起きたのかを把握しましょう。どのようないじめをし、被害者はどうなったのか、そして現在はどうしているのかを具体的に学校の先生に確認をする必要があります。また、親として子供から話を聞いてみましょう。そして、本当に「いじめ加害者」であることが確認できたならば、「謝罪する」ことです。子供の人格云々ではなく、「いじめをしてしまったという行為」に対する謝罪です。

加害者の保護者からの相談の中には、 「うちの子は悪くない」という主張もあります。例えば「集団登下校の列から、勝手に離れる子を注意するために、殴ったのだから息子は悪くない」「うちの子がそんなことをするはずがない」といった内容です。しかし、暴力をふるったことは事実ですし、現実に「いじめられた」という人がいるわけですから、きちんと事実確認をし、認識できたらならばそれを、まず受けとめることが必要です。いじめをしてしまったということは、確かに親にとっては、衝撃的ではありますし、ある意味「挫折」かもしれません。しかし、挫折から立ち直るためには、まず「受け入れる」ということが大事なのです。

保護者が潔い態度を示すことで、子供は深く反省し、次には絶対にしないという決意をすることができます。子供にとっては、親が頭を下げるということは、反省のきっかけとなるのです。
 

いじめ加害者の親の覚悟2. 子どもを正しい方向に導く 

家庭や親子関係を振り返る機会に

家庭や親子関係を振り返る機会に

子供たちにいじめる理由を聞いてみると、「面白いから」「気にくわないから」と、非常に自己中心的な答えが返ってくることが多いです。「面白いから」という理由でのいじめは容認すべきではありませんし、「気にくわないから」という理由で、相手を害することは大人になってからやったら犯罪になります(暴行罪、傷害罪、名誉棄損罪、侮辱罪等)。どのような理由があっても「いじめはいけない」と教え、いじめ以外の解決方法を提示してあげましょう。

本人が「本当に悪いことをしてしまった」 「二度としない」という深い反省と再発防止の決意をするきっかけを作っていただきたいと思います。「自分がされたらどう思うのか」と、相手の立場で考えさせるのも効果的だと思います。子供の自律心を養う指導を心がけましょう。
 

いじめ加害者の親の覚悟3. 家庭を振り返り、子どもへの接し方を改善

いじめ加害者の多くは、家庭でのストレスを抱えています。ストレスが蓄積すると、問題行動につながるのです。小児心理医の成田奈緒子・文京大学教育学部教授によると子供のストレスの要因は、二極化した親のミストリートメント(間違った接し方)にあると言います。「子供によかれ」とあれこれも世話を焼く「過干渉な親」と虐待も含む「無関心な親」です。

前者は、「自分が世話を焼かないと」と思い込み、 子供への基本的信頼が欠如していて、親の不安が子供たちに伝わり「親に心配されるダメな自分」という自己信頼のない子供自身のストレスです。友達関係などは、心の発達に必要な正常範囲のストレスであるのに、それをも排除し、結果として子供の成長を阻害してしまうタイプです。後者は、子供の成長より「自分」を優先するため、「親から見捨てられるのではないか」という見捨てられ不安によるストレスを子供に与えているタイプです。

子供がいじめ加害者になった場合、子供への接し方などを反省し、改善をする親自身の努力も必要です。
 

いじめ加害者の親になった時、あくまでも冷静に

子供が加害者になると、非常に衝撃を受けるため冷静な判断がしにくくなります。しかし、被害者からの理不尽な要求には屈しないでいただきたいと思います。被害者への謝罪と再発防止に努めることに注力し、社会常識の範囲を超える要求(法外な金品の請求など)があった場合には、冷静に対応しましょう。決して卑屈になる必要はありません。

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