解はマスターベッドルームにあり
マンションの空間において、いわゆる華のあるところというのは、やはりリビングダイニングだろう。ソファを置き、AV機器ボードを備え付ける。ダイニングテーブルとチェアを揃えれば、なんとなくでも暮らしのシーンが浮かび上がるというものだ。玄関などもひと工夫あれば、締まった感じがする家になる。ライフスタイルがひとつのプレゼンテーションとするのならば、そこは第一印象を決定付ける場所になる。高級物件ほどその傾向は強いといえるだろう。
さて、ではもしあなたが暮らしの本質を追及している住まいかどうかを見たいとするならば、マスターベッドルーム(主寝室)をチェックされることをおすすめする。滞在時間が最も長く、様々な機能が求められるから。プライベートスペースが上質であれば、快適なことはもとより、パブリック空間も充実させることができる。つまり、住まいの解はマスターベッドルームにあるのだ。
マスターベッドルームに求める条件
マスターベッドルームに求める条件は広さ、水回り、収納が基本要素である。照明と採光も重要ポイントに入る。もっと詳細に述べることが許されるのならば、空調、天井の高さ、クロスの色味にもこだわらざるを得ないだろう。右の間取りは、「平河町森タワーレジデンス」ペントハウスの間取りである。変則的なPP(プライベートパブリック)分離ではあるが、マスターベッドルームの基本要素はお手本といえる。まず、広さは20.4畳。天井高が2.97m(下り部分でも2.7m)確保されているので立体としてのバランスも良いのだが、空調の風が直接身体にあたる確率を低減している点も着目していただければと思う。
奥行きの深いウォークインクロゼット、1822ものスペースがあるバス(浴室)、(レイアウト上やむなく扉を設置している)トイレなど、収納と水回りに十分なゆとりがあって、求められる機能を高いレベルで満たしている。下の画像が実物を撮影したものだ。間接照明が(広すぎて落ち着かなくなる可能性を抑え)くつろげる空間に貢献していることがわかる。